高校生が自死したケースも AIへの悩み相談、周囲はどう対応?

人工知能(AI)の活用が急速に進む中、若年層の対話型AIへの相談がもたらす影響への懸念が広まっている。
心の悩みを相談していた高校2年生の女子生徒(当時16歳)が2025年に自ら命を絶っていたことも保護者への取材で判明した。
深刻なメンタルヘルスの問題をAIに相談している児童生徒らを、周囲はどのように支えればいいのだろうか。
女子生徒は高校2年の1学期からチャットGPTに質問するようになった。9月下旬に友人関係について相談するようになり、約1カ月半後に自ら命を絶った。
自己嫌悪や「消えたい」という気持ちも書き込まれた相談のスレッドは全体で60万字ほどになり、チャットGPTから相談窓口「いのちの電話」への連絡を案内された回数は少なくとも45回あった。
悩みをAIに吐露していたことは、家族らには伝えていなかったという。
若者の2割が相談に利用
25年11月に米国で実施された調査では、12~21歳の5人に1人がAIにメンタルヘルスの相談をした経験があった。
相談経験者の43%は月に1回以上、相談のためにAIを利用。「ほぼ毎日」と回答した人も6%おり、若年層にAIへの相談が広まっている現状が浮き彫りとなった。
他方で今回の女子生徒のように、AIに相談したことを誰にも話していない人も63%に上った。早稲田メンタルクリニック(東京)の院長で、AIへの依存に詳しい益田裕介医師は「どのようなAIを使い、何を相談しているかを周囲の大人や支援者が把握することが大事だ」と話す。
益田医師によると、都合のよい回答を得られるAIを相手に同じ相談を繰り返すことで、そのことばかりを考えて視野が狭くなってしまったり、対人関係の摩擦を避けるためにAIだけに相談するようになって周囲から孤立したりするリスクもあるという。
ただAIの利用を禁止すると、保護者らに隠れて利用するようになりかねない。益田医師は「メンタルヘルスについて質問することを想定し、子供たちにAIの使い方を説明する必要がある」と話した。【菅野蘭】