千葉県内に甚大な被害をもたらした千葉豪雨は、27日で発生から2週間となった。被災した車両が撤去されるなど日常の風景が戻りつつある一方、マンションなどのエレベーターは浸水被害で復旧の遅れが目立つ。停電や断水が続くマンションもあり、今も40人以上が避難所生活を余儀なくされている。
「暑い時期に階段の上り下りはつらい」。千葉市中央区の10階建てマンションに住む女性(79)は外出先から戻ると、ため息をついた。背には買い込んだおにぎり、ティッシュなどが入ったリュック。8階の自宅まで、つえと手すりを頼りに10分ほどかけて階段を上りきると、深呼吸をして息を整えた。
マンションのエレベーター3台は、いずれも浸水で故障した。管理人らによると、泥の排出や電気設備の部品の取り寄せなどに時間がかかり、復旧工事の着工には最短でも1か月はかかるという。女性は「階段で転ぶのも怖い。早くエレベーターが直ってほしい」と切望した。
エレベーター保守大手「日立ビルシステム」(東京)によると、県内で浸水被害に遭った同社管理のエレベーターは数百台に上る。順次対応しているが、完了の見通しはついていない。JR大網駅(大網白里市)など駅のエレベーターも被害があり、復旧していない。
エレベーターが今も故障しているマンションに住む千葉市中央区の30歳代男性は「道路の放置車両など目に見える被害はなくなってきているが、建物の中にはまだ被害の爪痕が大きく残っている」と語った。
同市内はマンション13棟計約700戸で停電や断水も続く。市は25日、中央区の複合施設内に簡易ベッドや水循環型シャワーを備えた避難所を開設。26日時点で6人の利用があった。
県内全域では現在も千葉、八千代、大網白里など5市に避難所があり、27日時点で10か所に計45人が身を寄せる。中央区の避難所にいる40歳代の会社員男性は自宅アパートが床上浸水し、いつ戻れるかわからないという。「少しずつ気持ちがすり減っていく。早く避難所生活を終わらせたい」と疲れた表情を浮かべた。