トクリュウのスマホを遠隔解析へ、裁判所の許可状が要件…警察庁有識者検討会が提言骨子

「匿名・流動型犯罪グループ(匿流(トクリュウ))」のスマートフォンを遠隔解析する行政措置の導入に向け、警察庁の有識者検討会は2日、裁判官から事前に許可状を取ることなどを実施要件とする提言の骨子を取りまとめた。遠隔解析の運用は緊急性の高い重大犯罪に限定し、適正性の確保を図る。
導入には警察官職務執行法の改正が必要で、同庁は提言がまとまり次第、検討を本格化させる方針だ。
匿流は強盗や詐欺などの連絡に秘匿性の高い通信アプリを悪用して身元を隠しており、同庁は8月、これを打ち破る手法の導入に向けた検討会を設置した。
遠隔解析は憲法の保障する「通信の秘密」に関わるため、ITやサイバー分野の専門家らは法的・技術的な課題の議論を重ねた。
骨子では、重大な犯罪が発生する危険性が高い場合、警察官が被害防止を講じる責務を警職法に明記することを提言した。その上で遠隔解析の実施要件を明確化し、適正性を担保した。
具体的には、強盗などの被害が切迫する場合に限り、事前に裁判官から許可状を取得した上で、匿流の実行役や指示役らのスマホの解析を始める制度とする。解析担当官は、警察庁長官が指名した警察官に限定する。
遠隔解析で取得する情報は強盗の標的にされている住民の氏名や住所、実行役の人数などの情報のほか、詐欺電話の名簿や振込先情報も想定される。被害防止に不要な情報を取得した場合は、全て消去する。
対象者に察知されずに端末を解析する制度であることを踏まえ、透明性の確保も図る。対象者には事後的に通知し、管轄する公安委員会に報告するという。
骨子では遠隔解析で適正に得られた情報を捜査に役立てることは「許容される」と指摘。「悲惨な被害者を生まないための対策が急務」と意義を強調した。