一方的な恋愛感情が満たされず、無理心中を図った男は、「夜職」(ナイトワーク)向けの不動産業を営むかたわら、パート勤務をして高級ソープに通い詰めていた。
今年6月、神戸市兵庫区「福原」のソープランドで従業員の女性(当時33)が刃物で刺され、殺害された事件。兵庫県警兵庫署は1日、殺人の疑いで大阪市生野区の不動産業、壺坂諒容疑者(同33)を被疑者死亡のまま書類送検した。
事件が起きたのは6月28日。午後10時ごろ、利用時間を過ぎても2人が部屋から出てこず、内線をかけても応答がなかったため、男性従業員が「プレイルーム」の鍵を開けて室内を確認すると、2人は血を流して倒れていた。女性はソファに横たわった状態で首と胸に刃物で刺された傷が複数あり、壺坂容疑者はベッドの上であお向けになり、左胸には牛刀が刺さっていた。2人とも服を着ていた。
■計6時間トリプル枠予約
現場は福原のメイン通りの桜筋と柳筋の間にあり、界隈でも有数の高級店と知られ、「120分コース」が6万2000円だった。
壺坂容疑者は事件当日の午後0時30分から同2時30分までの1枠と、午後5時10分から同9時10分まで2枠分となる計6時間の予約を入れ、数日前から神戸市内のホテルに宿泊。事件当日、店に行く直前に市内で刃渡り18センチの牛刀を購入した。壺坂容疑者はソファにいた女性をメッタ刺しにした後、ベッドの上で自身の胸に牛刀を突き刺し、自ら命を絶ったとみられる。
壺坂容疑者は3年前から店を利用し始め、自宅のある大阪から神戸まで足しげく通っていた。
2年ほど前から殺害した女性を指名するようになり。1回の利用で十数万円を使うことも珍しくなかった。
壺坂容疑者はもともと不動産会社で営業の仕事をしていて、その後、独立。今年5月に「夜職専門」の不動産会社を立ち上げたばかりだった。収入が不安定で賃貸物件を借りることが難しいホステスやキャバ嬢らを顧客にしていた。
「商売はあまりうまくいっていなかったみたいで、1週間に3回、会計事務所で終日、パートとして働いていた。不動産よりパートが主な仕事だった。独身で事務所を兼ねた自宅マンションの家賃は月8万円ほど。それでも殺害した女性に入れ揚げ、高価なブランド品のプレゼントを贈ったり、彼女を喜ばすため、『トリプル』で予約することもあった」(捜査事情通)
身勝手な“ガチ恋”客に道連れにされた女性が不憫でならない。