熊本地震で最大震度7を観測した熊本県氷川町で応急仮設住宅20戸が完成し、5日に入居が始まった。仮設住宅への入居は今回が初めて。被災者は1カ月あまり続いた避難生活から仮住まい生活に移り、生活再建への一歩を踏み出した。
氷川町では全壊527棟を含む3000棟以上の建物が被害を受け、町内4カ所で計82戸の仮設住宅の建設が進められている。この日入居が始まったのは「吉本仮設団地」。軽量鉄骨造り平屋建てで間取りは2Kと3K。町によると47件の応募から選ばれた20世帯43人が順次入居するという。
仮設住宅の鍵を受け取ったサービス業の宮川高弘さん(73)は「妻と2人で過ごすにはちょうどいい広さで、足を伸ばしてゆっくりと過ごせそうです」と喜んだ。自宅は全壊判定を受けて親戚宅に身を寄せていたといい、「これから再出発かな」と前を向いた。
5日午前に開かれた鍵の引き渡し式で、藤本一臣町長は「先の見えない不安を抱えていると思うが、新しい住まいで、少しでも心が休まる穏やかな日常を取り戻していただきたい」と述べた。
県によると、県内の家屋被害は4日時点で6万4903棟、全壊家屋は1748棟に上り、1970人が避難生活を送っている。仮設住宅は宇城市や八代市など4市3町に計553戸が整備される予定。【日向米華】