空き部屋や住宅で宿泊サービスを提供する「民泊」について、東京都新宿区が、住宅地や学校周辺での営業を原則禁止する方針を固めたことが7日、同区への取材で分かった。同区は民泊施設数が全国最多だが、既存施設にも禁止を適用する。
新宿区によると、都市計画上の住居専用地域や文教地区などの民泊を営業禁止とする。家主が適切に運用できる場合などに、例外的に営業を認めるという。既存施設への適用は猶予期間を設け、商業地域でも営業日数の上限を現行の180日から120日に制限する。
新宿区は10月に意見を公募し、来年2月の区議会定例会に改正条例案を提出する方針。同区の民泊の届け出住宅数は3928(8月31日時点)で約2000件が営業できなくなる可能性がある。施設数が全国最多の同区では令和7年度、1300件超の民泊に関する苦情が寄せられていた。
民泊はインバウンド(訪日外国人)拡大を念頭に平成30年に解禁。住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づき自治体に届け出た施設で年180日を上限に営業できる。
ただ、訪日客などの宿泊者による騒音やゴミ出しのトラブルなどが問題化。5月には東京23区の特別区長会のうち、杉並区と世田谷区を除く21区の有志が自民党に民泊新法改正や規制の強化を求めていた。
区長会は、自治体が地域の実情に応じ柔軟に実施制限を定められる規定の明文化や、現在の届け出制を更新制を伴う許可制度にする改正、事業者を国内に住所を有する者に限定するなどの規制強化を要望。また、民泊で廃止命令を受けた事業者が旅館業法で申請できないようにすることや、違法物件を紹介する仲介事業者への行政処分の明確化も訴えていた。
一方、観光庁は7月、居住環境が損なわれた場合に、住宅地などでの営業を自治体条例で事実上禁止できると通知。民泊振興の観点で認めてこなかったが、トラブルの多発で方針転換した。
通知では、自治体が条例で上限日数を0に設定し、実質的に民泊を禁じることを容認。迷惑行為に対応するため、民泊業者に対し、騒音計や監視カメラ設置、録画など義務付けることも認めた。