【近畿初の神社倒産】清和源氏発祥の『多田神社』が民事再生へ 名刀「鬼切丸」や駐車場など担保に2億円以上借り入れ…前宮司の金銭トラブルか 兵庫・川西市【帝国データバンク】

兵庫県川西市の「多田神社」を運営する宗教法人が、8月24日までに神戸地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けたことが分かりました。負債総額は現在調査中だということです。
多田神社は清和源氏発祥の地として知られ、宝刀「鬼切丸」なども所蔵する源氏ゆかりの神社です。
神社の倒産は全国で3件目となり、近畿地方では初めてとなります(帝国データバンク調べ)。
清和源氏ゆかりの由緒ある神社がなぜ…
帝国データバンクによりますと、多田神社は天禄元年(970年)に建てられたとされ、源満仲をはじめとする五公をまつる「清和源氏」ゆかりの神社として高い知名度を誇っていました。
宝物殿には宝刀「鬼切丸」など多数の書画が納められ、文化財にも指定されているほか、勝負事や厄除けの神様として地域の人々から親しまれ、長く大切にされてきました。
しかし、2023年ごろから、お金を借りるための「担保」として境内の土地などが設定される金銭トラブルが表面化していました。
境内の差し押さえを経て民事再生へ
帝国データバンクによりますと、こうした借り入れは元々、2024年2月に亡くなった当時の宮司の金銭的なトラブルが原因とみられます。
神社が自分たちの土地を担保にして個人からお金を借りることは通常はないということですが、宗教法人の内外の人物を含め、土地を担保にお金を借りる状況が生じていたということです。
名刀「鬼切丸」や「平政守」などを担保に借り入れ⇒外部に送金
民事訴訟の判決などによりますと、2024年2月に亡くなった当時の宮司が境内でグランピング事業を行うなどと実態のない計画を持ち掛け、代々伝わる名刀「鬼切丸」や「平政守」といった重要文化財級の宝物や、神社が所有する駐車場などの不動産を担保にするとして業者を信用させ、3社から合わせて2億1000万円を「多田神社」名義で借り入れました。
しかし、資金は当時の宮司の個人口座などに振り込まれた直後に外部へ送金され、神社の会計には一切反映されませんでした。
“荒唐無稽な事業”で神社が巨額の返済義務を負う事態に…
多田神社側は「事業は荒唐無稽で、資金も神社に使われていない」として返済義務はないと訴えましたが、「貸した側に過失はない」として神社側の敗訴が続いていて、巨額の返済義務を負う事態となっていました。
宮司が亡くなったあと、同年7月に代わりの担当者が就任したものの、お金を貸していた債権者側が資金を回収するため、担保となっていた土地などの競売に踏み切ったことで、同年9月に差し押さえを受けました。
今後は神社を継続しながら問題解決を目指す…
その後、神社側は申し立てを行うなど争う姿勢を見せていたものの交渉は長引き、早期解決のめどが立たない状態が続いていました。
このため今回の民事再生法適用の申し立てに至り、今後は事業を続けながら裁判所の関与のもとで財産の処分や問題の解決を目指すことになったとみられています。