勤務先の社長の男性を殺害したうえ、男性の遺体を乗せた車に放火した罪などに問われている男の裁判員裁判で、検察は拘禁刑25年を求刑しました。
殺人や建造物等以外放火などの罪に問われている会社員の浜田達也被告(38)は、去年11月、奈良県大和高田市の住宅の敷地内の倉庫で、住人の会社社長で浜田被告の上司だった定井敏弘さん(当時60)の首を刃物で刺して殺害し、遺体を定井さんの車に乗せ、大阪府柏原市の西名阪自動車道でガードレールに衝突させた上、車に火をつけて遺棄したとされています。
これまでの裁判で、浜田被告は起訴内容を認めていて、検察側の冒頭陳述では、浜田被告が会社から売上金合計163万円を着服していたことも明らかになっていて、検察側は、「売上金着服の発覚を恐れ、その発覚を免れようと考えたことなどから被害者の殺害を決意し、犯行を計画した。車両炎上で被害者が焼死し、被告だけが命からがら脱出できたように偽装した」と指摘していました。
一方の弁護側は、「定井さんを信頼し、期待に応えようとしていたが、定井さんの経営姿勢に対する疑問と不満があった。追い詰められ自殺を考えるようになり、死ぬからどうでもよいという考えから殺害のことで頭がいっぱいになった」と説明しました。その上で、「着服の犯行動機は、債務の返済目的で遊興費には消費していないし、長期にわたり殺害を企画し準備を積み重ねた事案とは異なる」とし、前科前歴がないことや、更生を支える家族がいることなどから、「拘禁刑18年が相当」と刑の減軽を求めました。
裁判の最後に浜田被告は、「遺族には大変申し訳なく、謝っても謝り切れません。定井さんは偉大な人で、一生支えようと思っていました。死刑でいいです」と涙ながらに述べました。
判決は今月18日に言い渡される予定です。