「この罰当たりが!」神社で拝殿の屋根に敷かれた銅板が盗まれる 無人の神社狙う連続窃盗犯の可能性も

岐阜県恵那市の大船神社で、文化財に指定されている拝殿の屋根から銅板およそ58平方メートルが盗まれているのが見つかりました。長野県でも同様の被害が相次いでいて、背景には「銅価格の高騰」があるとみられています。
■文化財の神社の屋根が…「銅板」盗まれる被害相次ぐ
9月21日、岐阜県恵那市の神社から入った1本の通報。 <神社関係者> 「神社の屋根の銅板が盗られております」 21日午前9時前、恵那市上矢作町の大船神社で、拝殿の屋根に敷かれている銅板が剥がされているのが見つかりました。
神社は標高1020mの場所にあり、屋根には大きなブルーシートがかけられています。 警察によりますと、盗まれた銅板はおよそ58平方メートル。 大船神社顧問の荒田善美さん: 「ほぼ100枚近い、全体の4分の1(が盗まれた)。2段はしごがかかっていたんです。社務所の脇に置いてあったものを使われた」 この拝殿は、近代の名工として名高い九代目・伊藤平左衛門によって明治末期に建てられ、恵那市の有形文化財にも指定されているといいます。
大船神社顧問の荒田善美さん: 「『この罰当たりが!』と。とんでもない罰当たりですよ」 今月16日には、隣の長野県阿南町の神社でも同様の被害がありました。8月から9月にかけ、長野県内では小川村、大町市を皮切りに少なくとも5つの神社で、屋根の銅板が剥がされる被害が相次いで発生しました。
21日に判明した恵那市の大船神社も含め、6件はいずれも普段は無人の神社が狙われていて、同一犯の可能性もあるとみられます。
■「銅の争奪戦」で価格高騰…盗難増加の一因か
金属市場に詳しい楽天証券研究所の吉田さんによると、今、「銅の争奪戦」が起きているといいます。 楽天証券経済研究所の吉田哲さん: 「端的に言えば、世界全体でAIや半導体のブームが起きている。AIも半導体もEVも、いずれも電気を使う分野になります。これによって、今後の銅の需要がどんどん増えていくという思惑から、価格がどんどん上がってきている」 世界規模で需要が高まり、国内の基準価格も1トンおよそ235万円と、月平均で過去最高値を更新。
スクラップの買取価格の目安にもなり、銅の盗難被害多発につながっている可能性があるのです。 大船神社顧問の荒田善美さん: 「これが犯人の足跡です。神社関係者やお参りする人は、こんな所は絶対に土足で上がらないです」 被害が明らかになった恵那市の大船神社。警察に被害届を出したといいますが、拝殿の修復のメドは立っていません。
大船神社顧問の荒田善美さん: 「今の時代に神社を守っていくのは並大抵のことじゃないです。後の処理が大変です。処理のことを考えると頭が痛いです」 警察は、一連の事件は同一犯による犯行の可能性もあるとみて、窃盗事件として捜査しています。