「人生で初めてAIが面接に来た」 面接の映像と音声を調査 背後には北朝鮮に関連するグループが関与している可能性も――【追跡取材 news LOG】

オンラインの採用面接に現れた“応募者”に、映像と音声のずれや不自然な受け答えが。さらに、複数の企業で同じ人物とみられる応募者が面接を受けていたこともわかりました。その正体を調査、背後に隠れる可能性を取材しました。
SNSに投稿された「人生で初めてAIが面接に来た」という書き込み。
投稿したのは、AIを活用したエンタメ事業を手がける会社・KOWROの原田祐二代表です。“面接を受けに来た人物”が中途採用のオンライン面接を受けたときの映像を見せてくれました。“面接を受けに来た人物”は流暢に経歴を語っていましたが、原田代表は違和感を覚えたといいます。
面接を受けに来た人物
「これまで約9年間Webシステムの開発に携わってきまして」
原田代表
「あ、しゃべってもいいですか?」
面接を受けに来た人物
「はい、どうぞ。何かご質問でしょうか?」
原田代表
「なんか映像としゃべっているのが全然一致しないんですけど、大丈夫ですか?」
その後もやりとりを続けましたが…
原田代表
「たぶん今、AIかなにかでしゃべらせているように聞こえるんですけど」
面接を受けに来た人物
「いいえ、AIは使っていません。 ご自身が直接お話ししています」
原田代表
「ご自身とか自分であんま言わないですよね。ちょっと変な感じがするので、ちょっとごめんなさいですけど退出します」
面接を振り返って原田代表は――
「最後に自分のことを”ご自身”とおっしゃってて、これはAIだなと思って。率直に怖いのでやめてほしいなと思います」
この映像を投稿した原田代表のSNSを見てみると、「私も同じ人と面談しました」「この人うちにも来たわ」など、“同一人物が来た”とする投稿が少なくとも10件見つかりました。
投稿をした会社・Walkersの渡邊敦司代表に話を聞くことができました。
約3か月前に行ったという面接で――
渡邊代表
「雰囲気が私が話した方と一緒だったので、多分一緒だな。やはり節々に不自然だな」
2つ目の会社に面接を受けに来た人物の面接の映像を見せてくれました。最初の会社の映像と比べてみると、服装も同じ白いTシャツで、髪型や顔が似ているように見えます。
Walkers 渡邊敦司代表
「簡単に自己紹介いただいてもよろしいですか?」
面接を受けに来た人物
「ありがとうございます。えー…、はい、もちろんです。これまで機械学習や生成AI、自然言語処理の領域で設計から開発、運用まで一貫して担当してきました」
口の動きと音声が合っていないように見えます。
渡邊代表
「なんかこれ…AIで音声応答されていますか?」
面接を受けに来た人物
「ありがとうございます。えーっと…、いいえ、私はAIではなく、実際にここでお話ししている〇〇(名前)です」
渡邊代表
「ちょっと、もう、あの、すみません、大丈夫です。受け答えが、ちょっと適切ではない気がするので」
やりとりを不自然に思い、面接を中断したといいます。
渡邊代表
「普及しているんだな、こういうAIによる面接が」「これは引っかからないだろうな。一方で、今後精度が上がってくるんだろう」
さらに、別の会社にも―
エーアイスクエア 堀友彦代表
「びくっとなりました。同じ顔!っていうのが、ドキっとした感じですね。あまりいい体験ではなかったので、気持ち悪いなっていうのがよみがえってきて」
取材をした3社の共通点は、フルリモートで勤務が可能な仕事。そして、同じ名前で応募されていたことだとわかりました。
果たして、面接に来た人物は“AI”なのでしょうか。
「映像」と「音声」、それぞれを専門機関で調査しました。
まずは、映像。AIによる加工を解析するNABLAS社に依頼すると、顔の動きなどに不自然さがあり加工されている痕跡が。
続いて、音声について。千葉音声研究所の解析では、息継ぎや抑揚が不自然なことから「AI音声」であることが分かりました。
一体、誰が、どんな目的で?――
サイバーセキュリティ会社は、背後に北朝鮮が関与している可能性を指摘します。
トレンドマイクロ 担当者
「北朝鮮に関連するグループが日本国内に対して、不当に就労する目的で攻撃を行っている」
警察庁なども、18日、北朝鮮のIT労働者が仕事を請け負うなどして、得た報酬、数億円相当を海外に送金していたことを確認したと発表しました。
(9月19日放送『news LOG』より)