群馬県太田市の住宅で9月25日、手塚由佳さん(52)が刃物で刺され死亡し、長男(26)が負傷した事件。群馬県警は翌26日、長女(28)の元夫・三原理稀容疑者(30)を殺人未遂容疑で公開手配し、27日に逮捕した。事件6日前、長女は元夫から母親と弟への危害をほのめかされたと警察に相談し、前日に実家からの避難を促されていた。
〈画像〉多くのぬいぐるみが飾られていた三原容疑者の自宅と、公開された走り去る三原容疑者の横顔
長女は何度も県警に相談していた
「助けて!」
9月25日の正午過ぎ、群馬県太田市の住宅街に女性の声が響いた。
近隣住民によると、警察車両が駆けつけた際、女性は「私が悪いんだ」と繰り返しながら警察官のもとへ走り、その場にしゃがみ込んだという。
女性は、この住宅に住む手塚由佳さん(52)の長女だった――。
事件が発覚したのは同日午後0時15分ごろ。外出先から戻った長女と長男(26)が自宅に入ると、長女の元夫・三原理稀容疑者(30)と鉢合わせた。
「三原容疑者は長男の後頭部などを刃物で切りつけた後、現場から逃走したとみられています。室内では母親の手塚さんが血を流して倒れており、胸や腹、手足などには十数カ所の刺し傷や切り傷がありました。現場には血のついた刃渡り約20センチの包丁が残されていました」(全国紙社会部記者)
手塚さんの死亡が確認され、群馬県警は翌26日、長男に対する殺人未遂容疑で三原容疑者を公開手配した。
「これまで長女から警察へ、元夫とのトラブルについて繰り返し相談が寄せられていました。警察が最初に把握したのは今年3月のこと。長女と三原容疑者が口論になっているとして、長男が栃木県警に110番通報しました。このときはけがなどが確認されず、事件化には至っていません。
6月には長女本人が群馬県警太田署にDV被害を相談し、警察が三原容疑者を口頭で注意しています。さらに9月19日には長女が栃木県警佐野署に相談し、三原容疑者から『母親と弟を殺して俺も死ぬ』との趣旨の言葉を告げられたと説明しています。警察はこのときも三原容疑者を口頭で注意しました」(同)
事件前日の24日には、群馬県警は長女に電話をかけ、安全を確認したばかりだった。
「県警は長女に対して、『実家には帰らない方がいい』『相手に知られていない場所へ避難した方がいい』といった趣旨の助言をしています。しかし長女はすでに実家にいて、『家庭の事情がある』『問題ない、大丈夫』といった説明をしたとされています」(同)
シングルマザーの母は体調が悪く、入退院を繰り返していた
長女が実家にいた背景には、母親の体調のことがあったようだ。手塚さん一家を以前から知る近隣男性はこう話す。
「あそこの家には、お母さんと息子さん、娘さんの3人が住んでいました。十数年前に引っ越してきたんです。途中で娘さんが家を出て、一時期はお母さんと息子さんの2人で暮らしていました。
手塚さんはシングルマザーで2人を育てたんです。最近は体調が良くなかったようで、入退院や手術をしたと聞いています。それで娘さんがお母さんのところにいて、世話をしていたようなんです」
手塚さんは小柄で、顔を合わせれば挨拶を返す社交的な性格だったという。別の近隣住民も、長女が洗濯物を取り込んでいるところを見かけ、声をかけたことがあった。
「娘さんに『戻ってきたの?』と聞いたら、『母が体調を壊しているので』と話していました」
事件当日、長女が助けを求めたのは隣家だった。
「娘さんが『助けてくれ』と隣の家に逃げ込んだそうです。『弟がいない、弟を捜さなきゃ』と慌てていて、隣の人が『落ち着け、自分で電話しろ』と言って通報させたそうです。その後、警察が来ると、娘さんは『私が悪いんだ』と何度も言いながら道路を歩き、警察官の方へ走っていって、その場にしゃがみ込んでいました」(前出・近隣男性)
元夫とのトラブルは、近所でも目撃されていた。
「6月ごろだったと思います。娘さんが近所の人のところに来て、『元夫にスマホを取られたので電話を貸してほしい』と頼んだことがありました。それで警察を呼んだそうです」(同)
三原容疑者をパチンコ店で逮捕
三原容疑者が住んでいたのは、事件現場から約20キロ離れた栃木県佐野市。周辺ではこの夏、若い女性と一緒にいる姿が何度か目撃されていた。
近くに住む30代男性が話す。
「この部屋の男(三原容疑者)が若い女性と一緒にいるところは何度か見ています。1~2カ月前ですかね。夜は結構見かけました。黒い車に乗っていましたよ」
別の30代女性も今年夏ごろ、三原容疑者と長女とみられる女性が乗用車から降りてくるところを目撃しており、三原容疑者は離婚後も長女に復縁を迫っていたとみられる。
群馬県警は9月27日午後、高崎市内のパチンコ店で三原容疑者を逮捕した。さらに手塚さんへの殺人容疑についても捜査を進めている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班