山口県は9月から、「クマ出没警報」について、発令の根拠を見直した。これまではクマかどうか判然としない目撃情報も発令の判断材料になっていたが、基準を厳格にして県民の無用な不安をあおらないよう運用方法を改めた。
県のクマ出没警報は2007年に始まり、これまでに15回出されている。発令基準は(1)同一地区で10日以内に5日以上のクマ出没があり、人身被害の恐れがある(2)人身被害が発生した(3)人里に頻出し、市町から警報発令の要請がある――のいずれかに該当した場合で、今回もこの基準に変更はない。
新たな見直しでは、クマと分かる画像や足跡、フンといった痕跡がある場合など、信頼性が高いと判断される目撃情報のみを発令の根拠とする。「車から山奥へ移動するクマを見た」「クマらしき動物を見た」といった不確かな情報は採用せず、厳格に選別する。
また、発令地区の範囲も見直した。これまで下関市や山口市などでは「市街地」をひとくくりにしていたが、今後は地域の実情に応じて各市町の判断で「中学校区」や「支所単位」で細かく設定できるようにした。
県自然保護課によると、クマに関する目撃情報は24年度は過去最多の799件で、警報も4回出された。クマに遭遇する可能性が高まる季節に入り、担当者は「警報の発令根拠は変わるが、今後も民家周辺などでクマを見かけたら自治体に連絡してほしい」と話した。【山口響】