ハワイの近海から西進してくるハリケーンNOLOが10月5日(月)頃に180度経線(日付変更線)を越えて、気象庁の監視する「台風」になる可能性が高まっています。
このような越境台風は2023年台風8号(ドーラ)以来で、3年ぶりとなりそうです。
次に台風が発生すると28番目ですので、他に新たな台風の発生がなければこのハリケーンが「台風28号(ノロ)」と呼ばれることになる見込みです。
▼ハリケーンNOLO 10月3日(土)12時
中心位置 中部太平洋
移動 西 10 km/h
中心気圧 978 hPa
最大風速 40 m/s(1分間平均風速)
最大瞬間風速 45 m/s
西経域から来る熱帯低気圧が台風になるのは数年に一度
国連 世界気象機関(WMO)の資料より
世界気象機関(WMO)は熱帯低気圧を監視する機関を地域ごとに指定していて、北西太平洋は日本の気象庁(熱帯低気圧RSMC東京センター)が担当することになっています。
日本の気象庁の台風の監視領域は、北西太平洋と南シナ海(北半球の東経100度~180度の領域)と決まっていて、その領域に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速(10分間平均)が17.2m/s以上のものが台風と呼ばれます。
このため、西経域から進んできたハリケーンや発達した熱帯低気圧(トロピカルストーム)が東経域に入ると、監視担当機関がアメリカの中部太平洋ハリケーンセンター(CPHC)から日本の気象庁に引き継がれ、「台風」と呼ばれることになります。
台風が域外から入るのは数年に一度程度の頻度で存在し、前回はハリケーンから台風に変わった2023年台風8号(DORA/ドーラ)、その前は2018年台風17号(ヘクター)でした。
過去最強クラスで越境の可能性
越境台風の頻度からわかるように、もともと太平洋の中ほどは熱帯低気圧の活動が東西ほど活発ではない領域です。これまでに猛烈な勢力で越境した例はありません。
今回のハリケーンはアメリカ側の予測で、越境時の勢力は1分間平均風速55m/s前後(カテゴリ3相当)と見積もられていて、これは越境時の勢力が過去最も強かった2006年台風12号(イオケ)と2014年台風13号(ジェヌヴィーヴ)(いずれも10分間平均風速50m/s)に匹敵する勢力となりそうです。台風としての勢力は「非常に強い」にあたる可能性があります。
どこまで西進するか要注目
このハリケーンはかなり長い旅路を経ていて、日本時間の9月14日(月)にメキシコ沖の東部太平洋で発生した熱帯低気圧15Eが起源です。あまり発達しないまま西進しましたが、24日(木)にハワイの南で発達してトロピカルストームNOLOになり、翌25日(金)にはハリケーンになりました。最盛期には上から2番目のカテゴリ4の勢力まで発達しています。
その後は勢力を落としてハリケーンからトロピカルストームに変わったものの、再び発達して10月3日(土)6時にハリケーン勢力になり、今後も発達を続けながら180度経線を越えようとしています。現時点では5日(月)朝にミッドウェー諸島近海で台風になる可能性が高いとみています。
東経域に入った後もしばらく西進する予想ですが、傾向としてはUターンして東に戻っていく可能性が高くなっています。
ただ、どこまで西進してから転向するかの予測のばらつきがまだ大きく、場合によっては小笠原諸島など日本国内にも近づく可能性があり、影響を完全には否定できない状況です。今後発表されるとみられる台風情報に注意してください。
台風の名前
北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
一方、西経域から入る台風は、アメリカの国立ハリケーンセンターが定めたリストからつけられた名前が、そのまま台風の名前に用いられることになっています。