6人死亡の北九州アパート火災、元住人が起訴内容否認 初公判

2017年5月に北九州市小倉北区のアパート「中村荘」が全焼し住人6人が死亡した火災で、現住建造物等放火や殺人などの罪に問われた元住人の無職、井上浩二被告(58)は5日、福岡地裁小倉支部(三芳純平裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で「私は関係ありません」と起訴内容を否認した。
起訴状などによると、井上被告は17年5月7日午後11時10~15分ごろ、入居者14人がいた木造2階建ての中村荘で、1階の無施錠の正面玄関から侵入し、1階トイレ前でガスバーナーのようなものを使って放火。延べ約283平方メートルを全焼させ、6人(当時55~84歳)を殺害し、重軽傷を負った5人を含む8人を殺害しようとしたとしている。
井上被告の関与を直接的に裏付ける証拠がない中、公判では火災が放火によるものかどうかの「事件性」や、被告による犯行かどうかの「犯人性」が主な争点となる。
検察側は、出火の前後を映した中村荘周辺の防犯カメラ映像の解析結果や、放火による出火が原因であるとする火災の専門家の見解など複数の状況証拠をもとに有罪を立証する方針。
一方、弁護側は放火の瞬間を映した映像や目撃証言などがなく、状況証拠のみでは被告を犯人と断定できないとして全面的に争うとみられる。【栗栖由喜】