【泉佐野市・泉南市】合併検討へ プレミアム商品券は倍使える!?“大阪イチお金持ちな町”田尻町は「合併ありきの話には乗らない」その“本音”とは?

10月5日、泉佐野市と泉南市が「自治体の合併」を提案しました。将来的な人口減少などを見据え、生き残りをかけた選択だとしています。
2つの市に挟まれた人口約8000人の「田尻町」は、「合併ありきの話には乗らない」と表明しています。一体どんな町なのか?見えてきたのは、町の規模からは想像できない豊かな財政事情。
大阪南部の未来がかかる「合併」と独自路線を行く小さな町の“本音”を、東洋大学・宮下量久教授、同志社大学・野田游教授、田尻町・山本一男町長への取材を踏まえて、山中真解説委員がプレゼンします。
泉佐野市・泉南市で合併検討へ
泉佐野市は人口9万9653人(2026年9月末)、泉南市は5万6840人(2026年8月末)の2つの自治体で合併話が浮上しています。
東洋大学・宮下量久教授によると、自治体には適正規模があり「最低でも人口20万人~30万人の規模が1人当たりのコストを適正にすることができる(スケールメリット)」。
規模が小さいと「消防・ゴミ収集・水道」などを自前で持てないといいます。
これを踏まえると、泉佐野市と泉南市は合併しても20万人には届かないが、合併して少しでもスケールメリットを出そうということが背景にあることがわかります。
今なぜ合併話が浮上?
市町村合併は2014年の栃木市と岩舟町が最後。なぜ今泉佐野市と泉南市の合併話が浮上しているのでしょうか?以前にも合併話は出ていましたが、白紙になっています。
同志社大学・野田游教授によると、以前合併話がでていたときに比べ「思っていた以上に少子化がはやく人口減少→財政が厳しい、専門職・技術職が集まらない」と話します。
かつては1400億円の借金…「ふるさと納税」等で財政改善 泉佐野市
それだけではなく、以前合併話が出ていた2004年ごろの泉佐野市は、関空開港時の開発事業で1400億円の借金があり、周辺自治体から反対が出て、住民投票を行ったところもあるということですが、当時は白紙となりました。
しかしその後の泉佐野市は、「ふるさと納税」等で財政が改善。2013年に財政破綻寸前から脱却しています。
同志社大学・野田游教授は「合併をすることで将来的な人口・税収減少に先手を打ち、財政基盤の強化、住民サービスの維持」だけではなく「副首都・大阪を見据え存在感が高められる」といいます。
合併話に不参加の田尻町長に聞く
実は田尻町は、2004年の平成の大合併の際に周辺地域との合併案が持ち上がりましたが、住民の反対などにより計画が白紙になっていました。
約20年ぶりに浮上した今回の合併話にも町は慎重な姿勢を見せています。
(田尻町 山本一男町長)「正式な打診も受けていませんので、本当にコメントしにくいんですよ。今時点では、研究会にも入っていないし、打診うけても慎重な姿勢を取らさせていただきたい。人口も若干減少はしているけども大きな問題になっていない。行政サービスも一応維持できています。一足飛びに合併ということではないと思っています」
ホンネはー?「財政的に余裕はありません。ここは強調しとかんと」
とはいえ、今後も余裕綽々というわけでもないようで…
(田尻町 山本一男町長)「商店街もなんとかもう一回活性化するような施策もうっていきたいと思いますし、やらないといけないことは山ほどありますし。本当に財政的に余裕はありません。ここは強調しとかんと」
大阪トップの財政力指数
田尻町長は、「財政に余裕がない」と話していましたが、関空関連の税収(2024年度)を見ると…
▽泉南市 約28億円(人口5.6万人)

▽田尻町 約33億円(人口8300人)

▽泉佐野市 約54億円(人口9.9万人)
税収だけで見ると泉佐野市が多いですが、人口1人あたりで見ると田尻町が圧倒的に多いです。
「財政力指数(2024年度)」を見ると…
▽泉南市 0.67

▽田尻町 1.28

▽泉佐野市 0.84

(大阪市 0.94)
「1」を超えると、自治体で必要な経費を自分たちの歳入でまかなえるということですが、田尻町はなんと大阪府内でトップです。
2つの自治体に挟まれる「田尻町」は“大阪イチお金持ちな街”!?
田尻町を見渡せる場所に行くと、無料で使えるバスケットコートや公園、総合保健福祉センターなど、施設が充実しているのが分かります。
潤沢な税収は教育にも。将来的に全国的にも珍しい、こども園・小学校・中学校の一貫校を作ることを検討しているのだそうです。
さらに行政サービスとして以下があります。
▽高齢者用プレミアム券

→1万円分が5000円で購入可能

▽運賃無料

→巡回するバスの運賃無料

▽お米の定期便

→妊婦は1人あたり毎月4.5kgを支給。子どもは隔月

▽奨学金返還支援

→毎月上限1万円。最大60か月。助成金支給
名前は?施設は?合併のデメリット
一方で、合併にはデメリットもあります。
東洋大学・宮下量久教授、同志社大学・野田游教授によると、「合併は最終手段で一度すると元に戻せないため。慎重に検討すべき」といいます。
また、名前・施設はどうするのか?地域のアイデンティティーが希薄になるなどがあります。
その場所に住む人の幸せか、全体の幸せか…、今後の動きに注目です。
(2026年10月6日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『山中プレゼン』より)