簗農相が自身を衆院選で支援しなかった地元首長の自治体の道路予算を「大幅にカットした」と発言した問題で、簗氏が言及した栃木県那須烏山市と那珂川町では、一部の道路整備事業を先送りせざるを得なくなり、地元からは困惑する声が上がっている。
那珂川町大山田上郷の町道「上郷須賀川線」は、拡幅工事が完了している部分は片側1車線だが、未着工の部分は道路幅が狭く中央線もない。道路幅が狭いため車がすれ違うのは難しく、拡幅工事が完了した道路で待機する車も見られた。近くに住む男性は「この道路は大きなトラックが通ることもある。住民としては切実な問題なので、早く道路を広げてほしい」と話していた。
しかし、同町は今年度、同路線の工事の財源にする予定だった国の交付金の内示額が少なかったため、工事の発注を取りやめた。同町によると、道路予算の「防災・安全交付金」について国土交通省に7208万円を要望したが、内示額は2262万円で、前年度比では約54%減っていた。
事業は2019年度に始まり、全長約2キロのうち約4割で工事が完了、今年度の工事区間は約200メートルだった。32年度に完了予定だったが、工期が遅れる可能性があるという。
同様に道路関連の交付金が削減された那須烏山市でも、今年度予定していた市道拡幅工事3路線のうち、同市藤田の市道・富士見台工業団地線が来年度に延期される見通しとなった。市幹部は「那須烏山のような財政規模の小さい自治体で交付金を大幅に削減されれば事業が成り立たない」と憤る。
市建設課によると、同路線の拡幅工事は13年度に始まり、全長約1・3キロのうち今年度は約100メートルで工事を実施する予定だった。市は、今年度の道路工事費として「社会資本整備総合交付金」と防災・安全交付金の計約1億5000万円を国に要望していたが、内示額は約70%で、前年度比で約30%減った。
簗氏は、2市町の予算について国交省に問い合わせたことを認めているが、予算を減らすよう働きかけたことは否定している。これに対し、川俣純子市長は、「暗に予算減額の圧力をかけ、忖度(そんたく)を強要しているとも受け取れる」「2市町に限定した問い合わせを行った理由は何か」などとするコメントを出し、疑念を深めている。
那須烏山市議会は14日に臨時会を開催し、簗氏の言動に抗議する決議について審議する予定という。
自民県連幹事長「非常に遺憾」
自民党栃木県連は10日、宇都宮市上大曽町のホテル東日本宇都宮で、政治資金パーティー「とちぎ自民党2026政経フォーラム」を開催した。県連によると、4年ぶりの開催で、会場には県選出の国会議員や県内首長、団体関係者ら1050人が集まった。
フォーラムは冒頭のみ公開され、県連会長の茂木外相はあいさつで、「来年4月、統一地方選の必勝に向けて、県連一丸となって取り組んでいきたい」と呼び掛けた。
簗農相は公務のため欠席したという。フォーラム後、報道陣の取材に応じた県連の日向野義幸幹事長は、簗氏の予算削減に関する発言について、「非常に遺憾だ」と述べ、「しっかりと自分自身の説明責任、職責を果たしていくことが責任の取り方だ」と強調した。