三重県議会は16日、顧客や取引先からの理不尽な行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の防止に向け、全国初となる罰則付きの条例案を全会一致で可決した。大声で謝罪などを求める振る舞いを「特定カスハラ」とし、禁止命令に従わない場合は罰金などを科す。2027年4月に施行する。
三重県カスタマーハラスメント防止条例で、カスハラを「社会通念上、相当な範囲を超える迷惑行為で就業環境を害するもの」と定義。正当な理由がないのに大声で繰り返し謝罪や面会、利益供与を求める行為に加え、卑わいな言動やつきまといを「特定カスハラ」とした。県が諮問した弁護士らによる審査会が判断する。認定されると知事が禁止命令を発令し、従わない場合は県が警察などに告発。有罪となれば50万円以下の罰金、または拘留などの罰則が科される。
一見勝之知事は可決後の報道陣の取材に「条例は正当なクレームや要望を妨げるものではなく、抑止力の意味が大きい。施行までの半年間、啓発ポスターやセミナーの開催を通じて内容を周知したい」と話した。
罰則がないカスハラ防止条例は北海道、東京都、群馬県、愛知県などで施行されている。三重県桑名市は昨年4月、悪質なカスハラを繰り返す行為者の氏名を公表する独自の条例を施行した。2件が公表事案に該当したが、市の警告に従ったため、氏名は公表されなかった。【長谷山寧音】