改正皇室典範の成立背景…高市首相の「女性天皇」阻止は日本会議などへの配慮

7月に成立した改正皇室典範が24日、施行された。これにより、旧宮家(旧皇族)の男系男子を養子として皇族に迎える制度が創設され、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する制度ができた。ネット世論を中心にずっとささやかれていたのは、改正法の成立が麻生太郎副総裁のゴリ押しということだった。麻生氏の妹は三笠宮寛仁親王の妃殿下信子さまであり、信子さま自身が宮家をもっている。また、姪である彬子女王は三笠宮当主として活躍し、瑶子女王も皇族として活躍している。麻生氏の意中の人物を、この一家の養子とし、その養子に男子が産まれれば、天皇になれる可能性がでてきたからだ。つまり“麻生氏黒幕説”である。麻生氏が改正を強固に進めたのは事実だが、成立の背景はそれだけではなかったと毎日新聞が舞台裏を解説している。安定的な皇位継承や皇族数確保策を議論するために2022年に衆参両院の各会派全体会議が設置された。その裏で2025年3月から6月にかけて、与野党第1党の代表者と衆院正副議長の4者が全体会議の円滑化のため非公式に協議。その場で、自民代表の麻生氏(当時は党最高顧問)は女性天皇を容認する発言をしていた。その4者協議では女性皇族の身分保持のみを先行して実現させることを内々で合意したが、麻生氏がその直後、養子案にこだわり始め、合意を反故にした。麻生氏を説得したのは内閣官房参与で皇室制度連絡調整総括官だった山崎重孝氏である。今年4月に全体会議が再開され、6月10日に「立法府の総意」を決定した。「女性皇族の身分保持」は与野党がほぼ一致していたが、問題は「旧宮家からの養子縁組」の方だ。麻生氏はこれに関して「特例」と認識していたが、ここでも麻生氏を説得してひっくり返したのは山崎氏だった。結果、特例法案ではなくなってしまった。山崎氏や木原稔官房長官を通じて高市政権に影響力を強めてきたのは、保守系団体の「日本会議」や「神道政治連盟」である。日本会議は以前から養子縁組の法制化を求めていた。神道関係者の中には、皇室が国民との距離を縮めることで戦前の神聖性を薄めていることに懸念する声があるという。とくに女性天皇については「世俗化だ」と批判しているらしい。高市首相の政策と符合する日本会議の方針高市首相は2月27日の衆院予算委員会で、皇位継承をめぐる皇室典範改正について「男系男子による継承を維持」との考えを示している通り、もともと男系男子に固執するイデオロギー優先の政治家だ。党内基盤の弱い首相にとって、岩盤支持層とされる保守派の支持は欠かせない。改正皇室典範の成立をゴリ押ししたのは、麻生氏よりもむしろ高市首相で、その意図は「日本会議と神社本庁の高市支持をつなぎ止めるため」だったのである。
7月に成立した改正皇室典範が24日、施行された。
これにより、旧宮家(旧皇族)の男系男子を養子として皇族に迎える制度が創設され、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する制度ができた。
ネット世論を中心にずっとささやかれていたのは、改正法の成立が麻生太郎副総裁のゴリ押しということだった。麻生氏の妹は三笠宮寛仁親王の妃殿下信子さまであり、信子さま自身が宮家をもっている。
また、姪である彬子女王は三笠宮当主として活躍し、瑶子女王も皇族として活躍している。麻生氏の意中の人物を、この一家の養子とし、その養子に男子が産まれれば、天皇になれる可能性がでてきたからだ。つまり“麻生氏黒幕説”である。
麻生氏が改正を強固に進めたのは事実だが、成立の背景はそれだけではなかったと毎日新聞が舞台裏を解説している。
安定的な皇位継承や皇族数確保策を議論するために2022年に衆参両院の各会派全体会議が設置された。その裏で2025年3月から6月にかけて、与野党第1党の代表者と衆院正副議長の4者が全体会議の円滑化のため非公式に協議。その場で、自民代表の麻生氏(当時は党最高顧問)は女性天皇を容認する発言をしていた。
その4者協議では女性皇族の身分保持のみを先行して実現させることを内々で合意したが、麻生氏がその直後、養子案にこだわり始め、合意を反故にした。麻生氏を説得したのは内閣官房参与で皇室制度連絡調整総括官だった山崎重孝氏である。
今年4月に全体会議が再開され、6月10日に「立法府の総意」を決定した。「女性皇族の身分保持」は与野党がほぼ一致していたが、問題は「旧宮家からの養子縁組」の方だ。麻生氏はこれに関して「特例」と認識していたが、ここでも麻生氏を説得してひっくり返したのは山崎氏だった。結果、特例法案ではなくなってしまった。
山崎氏や木原稔官房長官を通じて高市政権に影響力を強めてきたのは、保守系団体の「日本会議」や「神道政治連盟」である。日本会議は以前から養子縁組の法制化を求めていた。
神道関係者の中には、皇室が国民との距離を縮めることで戦前の神聖性を薄めていることに懸念する声があるという。とくに女性天皇については「世俗化だ」と批判しているらしい。
高市首相は2月27日の衆院予算委員会で、皇位継承をめぐる皇室典範改正について「男系男子による継承を維持」との考えを示している通り、もともと男系男子に固執するイデオロギー優先の政治家だ。党内基盤の弱い首相にとって、岩盤支持層とされる保守派の支持は欠かせない。改正皇室典範の成立をゴリ押ししたのは、麻生氏よりもむしろ高市首相で、その意図は「日本会議と神社本庁の高市支持をつなぎ止めるため」だったのである。