北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさん(67)が25日、松山市内で講演した。集まった約520人を前に、「拉致問題は時間との闘い」と強調し、一日も早い拉致被害者の帰国の実現を訴えた。
曽我さんは1978年8月、新潟県の旧真野町(現佐渡市)の自宅近くで母ミヨシさんとともに北朝鮮の工作員に拉致された。2002年に帰国するまで北朝鮮で過ごしたが、ミヨシさんの安否は今も分かっていない。
この日、曽我さんは帰国を果たすまでの過酷な体験を語った。北朝鮮の招待所で同じ拉致被害者で、いまだに帰国を果たせていない横田めぐみさんと一緒に暮らしていた時期があり一緒に故郷を懐かしんで、日本の歌を口ずさんだことを明かした。
また北朝鮮では、冬でも頻繁に停電が起き、寒すぎて眠れないこともあったことなど、日本とは比較にならない厳しい生活だったと振り返った。曽我さんは「1分1秒でも早く被害者全員が救出されることを願って今後も講演や署名活動を続けていく」と力を込めた。【藤家秀一】