福島県喜多方市が市内の小学生を対象に募集したポスターコンクールで、入賞作品に生成AI(人工知能)が使われているのではないかとの中傷投稿がSNS上で相次ぎ、市が作品の公開を取りやめた。年齢を問わず生成AIの利用が広がる中、識者は使用ルールを明記してトラブルを回避する必要性を指摘している。
市商工観光課によると、市は特産のしょうゆをPRする「醤油(しょうゆ)消費拡大推進ポスターコンクール」を開催。募集規定で生成AIの使用制限は設けていなかった。集まった148点の中から、最優秀賞、優秀賞、佳作を選び、10月初旬に市のホームページ(HP)に児童の名前入りで掲載した。
数日後、市に外部から「AIを使っているのではないか」との指摘があり、X(旧ツイッター)でも、構図や字体から生成AIの使用を疑うなどのメッセージを添えた投稿が複数見つかった。児童の名前も拡散されていたため、市は16日にHP掲載を取りやめ、表彰式の中止も決めた。「児童の安全確保とプライバシー保護を最優先した」(市商工観光課)という。
作品はいずれも画用紙に描かれていたといい、同課の担当者は「児童本人が描いた作品であると判断した」と説明している。
生成AIに詳しい北海道大の川村秀憲教授は「子どもを中傷の対象にするのはお門違いだ。トラブルを招かぬよう、コンクールなどの主催者はAIに関する規定を明記した方がいい」と指摘する。