国産ブドウ「中間層拡大」のベトナムに輸出、首脳会談で果物の相互解禁合意へ…「かんきつ類の王様」輸入も

日本とベトナムの両政府が、ベトナム産かんきつ類「ポメロ」と日本産ブドウの輸入の相互解禁で合意することがわかった。複数の日本政府関係者が明らかにした。9日に東京都内で開かれる首脳会談で合意を確認し、共同声明に盛り込む方向だ。互いに代表的な農産品の流通拡大を目指す。
現在、植物検疫上の規制から、日本からベトナムに輸出できる果実は温州ミカンやリンゴなどに限られる。日本政府は、ブドウ生産量日本一を誇る山梨県などの要望を受け、果実につく病害虫に関する調査など、ベトナム側と検疫体制の強化に取り組んできた。
安定した経済成長を続けるベトナムでは、購買力の高い中間層が拡大しており、日本産農産物の需要が見込まれる。ブドウ輸入が解禁されれば、将来、他の果物にも拡大される可能性がありそうだ。
ベトナムの果物市場では、日本から外国に違法に持ち出された苗木による外国産の「シャインマスカット」が低価格で流通している。正規の日本産ブドウが流通すれば、ブランド品種の保護につながるとの期待もある。
ポメロはグレープフルーツに似た果物で、その大きさから「かんきつ類の王様」とも呼ばれる。ベトナム政府が輸出拡大に力を入れており、米国やオーストラリアなどでも市場が拡大している。
ベトナムの最高指導者トー・ラム共産党書記長・国家主席は8~11日に来日し、9日に高市首相と会談する。会談では、南シナ海などで海洋進出を強める中国を念頭に、ベトナムの海上安全保障能力の強化など安保分野での連携も確認する。経済安保分野では、ベトナムでの原子力開発の協力促進で合意する。ベトナム政府が力を入れるベトナム語に対応したAI(人工知能)開発を後押しするため、日本がAI人材の育成で協力する方向だ。
両政府は、自国で相手国民を逮捕・拘束した場合、領事通報を義務化する新たな協定の締結に向け、協議を開始することも確認する。これまでは、本人が希望した場合に相手国に通報していたが、希望の有無にかかわらず通報を義務化することを検討する。