宮城県丸森町では台風19号による豪雨の影響で、町内に2カ所ある浄水場の取水口が土砂で詰まるなどして断水状態が12日深夜から続いている。町役場も庁舎周辺が水没したままで、携帯電話も通じづらい状況だ。県災害対策本部によると14日午前11時現在、同町内に開設された避難所14カ所に住民451人が避難。断水は町全域の約3900軒に及んでいる。
避難所の一つ、同町立丸森小学校の体育館では14日午前10時ごろ、トイレを流すための水として、避難している人らが協力し合い、プール脇にたまった雨水をバケツにくんで、次々とトイレに運んだ。
同日正午ごろには陸上自衛隊船岡駐屯地の給水車、午後1時ごろには山元町の給水車が丸森小に到着。ポリタンクやペットボトル、やかんなどを持った丸森町民数十人が列をつくった。同小に通う長女(7)と妻と訪れた会社員、浅倉弘志さん(42)は「東日本大震災の時は電気、ガスが止まって水道は出たが、なんとかしのげた。今回、水道だけが止まって気持ち的に不安だ。給水車が来てくれて安心した」とほっとした様子だった。
同町が頭を痛めているのは、浸水した家庭から出る畳など大型の家庭ごみ。500~1000トン分出るとみており、焼却場の能力を勘案すると、3~4カ月、一時的な集積場が必要となるが、どこに集積するかのめどは立っていないという。町災害対策本部舘矢間支部に詰める町町民税務課の半沢一雄課長は「ごみ問題と合わせて、今後、(家屋の)消毒薬の配布も必要になるが、なかなか手が回っていない」と話す。
避難所で夜を越した人々からは不安の声が聞かれた。同町立舘矢間小に避難した小野守夫さん(80)は「12日の夕方、家族と車で逃げ、車の中で台風が過ぎるのを待った。家が今どうなっているのか分からない。不安だ」ともらした。間野つや子さん(70)は「台風の夜は心配で寝られなかった。家の2階に避難していたが、朝になったら家の周りが水だらけで、どこの道も通れなくなっていた。家のことが一番心配だ」と話していた。【吉田勝、藤田花】