【台風19号】夜通し作業も「メド立たない」 決壊から3日 長野・千曲川

台風19号の大雨で千曲(ちくま)川が氾濫した長野市北部は15日、決壊した堤防の緊急対策工事と浸水した地区の排水作業が続けられているが、いまだに被害の全容が判明していない場所もある。氾濫から3日目を迎え、被災住民らは長期化する見通しの避難生活に不安を隠せない。
国交省北陸地方整備局によると、千曲川は13日朝から、決壊した堤防の復旧工事を24時間体制で進めている。排水作業も全国から集まったポンプ車が作業を続けており、14日午前11時の段階で同市穂保(ほやす)地区の浸水面積約9・5平方キロメートルのうち、約4割にあたる4平方キロメートルで水が引いた。
ただ、穂保地区以外の浸水面積は正確に数値を集計できていない段階だといい、担当者は「作業は続けているが、対策工事、排水ともに終了のメドは立っていない」と話す。
浸水被害が深刻な地区では、いまだに自宅の様子を見に行けない住民もいる。同市津野地区の自営業、山本英章さん(72)は、「近隣の親族宅も濁流で流されたと耳にした。自宅の状況が分からない限り、どうしようもない」と嘆く。
避難した12日は車中で一夜を過ごした。新聞の航空写真に映った2階建ての自宅は1階部分を超えて浸水しているように見えたといい、「住める場所がないなら、仮設住宅を準備してもらうしかない」と、つぶやいた。