台風死者66人・不明14人…決壊47河川66か所

東日本に記録的大雨をもたらした台風19号の被害は各地で拡大し、読売新聞の15日正午現在のまとめで、死者は11県で66人に上り、心肺停止状態が1人、14人が行方不明になっている。宮城県丸森町では中心部の水は引き始めたが、依然として浸水が続く地域もあり、被害の全容はわかっていない。河川が決壊した地域では、生存率が低下する災害発生から「72時間」を前に、救助・捜索活動が24時間態勢で続いている。
福島県では、冠水した住宅地の水が引き、住宅内などから新たに20人の遺体が発見された。同県の死者は、被災地の中で最多の25人に上っている。本宮市や郡山市、須賀川市など県の中央部を南北に縦断する阿武隈川流域の浸水地域で多数の死者が出た。郡山市では、10歳未満の男児と母親が遺体で発見され、10歳代の子どもも行方不明になっている。
神奈川県相模原市緑区で12日夜、一家4人が乗っていたとみられる車が串川に転落した事故では、すでに死亡が確認された母親(39)と長女(11)のほか、14日に父親(49)、15日に長男(8)が新たに遺体で発見された。車も、約2キロ下流で横倒しの状態で見つかり、一家で出かけている途中、川に転落したとみられる。
国土交通省の15日午前5時時点の集計では、決壊した堤防は、宮城県の吉田川、福島県の阿武隈川、長野県の千曲川など7県47河川で66か所に上る。川の氾濫も国管理の22河川、16都県管理の194河川で確認された。土砂災害は、19都県で計146件に上った。
同省は、被害の大きい千曲川の堤防決壊について、原因究明や復旧工法などを検討する有識者委員会を発足させ、15日午後から現地調査を始める。
経済産業省によると、停電は15日午前4時時点で、千葉(約1万7400戸)、長野(約1万4070戸)、神奈川(約2200戸)など10都県計約3万7470戸。浸水被害が激しい地域では、復旧に水が引いてから1週間程度かかる見込みという。
交通への影響も続いている。JR東日本によると、車両センターなどが浸水した北陸新幹線は、東京―長野間、上越妙高―金沢間で折り返し運転を行っており、東京―金沢間の直通運転再開のめどは立っていない。
気象庁によると、福島県や岩手県などでは15日早朝から雨が降った。同庁は土砂崩れや川の増水への警戒を呼びかけている。