日本郵政のドン・鈴木上級副社長 臨時国会で参考人招致か「NHKはまるで暴力団」

「臨時国会で参考人招致を検討している」
こう野党幹部が名指しするのは、“日本郵政のドン”と呼ばれる日本郵政の鈴木康雄上級副社長(69)だ。
かんぽ生命の不正販売に揺れる日本郵政グループ。この問題を報じたNHKについて、鈴木氏は10月3日の会見で「まるで暴力団と一緒でしょ」と言い放った。
鈴木氏が糾弾した番組は、昨年4月放送の「クローズアップ現代+」。続編の放送を目指し、SNSで情報提供を呼びかけた。それに対して日本郵政が強硬に抗議。NHKは日本郵政に文書で事実上、謝罪し、続編番組の放送を延期した。
鈴木氏の暴言について、日本郵政幹部が語る。
「NHKへガバナンス体制を問題にして追及するのは、総務官僚らしい発想です」
当の鈴木氏はいかなる人物か。山梨県出身で東北大学法学部卒業後、1973年に旧郵政省(現総務省)に入省。総務省情報通信政策局長を務めるなど、放送行政に長く携わってきた。
「酒好きで、フジテレビの日枝久さんや日本テレビの故・氏家齊一郎さんに可愛がられた。また、電気通信事業部長時代に利害関係者のNTTコミュニケーションズから飲食を提供され、タクシー券を貰って使用したことが05年に発覚、国家公務員倫理法違反で戒告処分となりました」(同前)
鈴木氏は2009年7月から10年1月まで総務次官を務めた。日本郵政取締役となったのは、13年。日本郵政社長が坂篤郎氏から西室泰三氏に交代した時期で、自民党が与党復帰した直後の「菅義偉官房長官による人事」と言われた。

「菅氏が総務大臣を務めていた06年から07年、鈴木氏は情報通信政策局長や総務審議官をしていた関係で、親しい間柄。民主党政権下で次官を半年で更迭されたことへの恨みを汲み取った菅氏が、鈴木氏を日本郵政に送り込んだという見方もありました」(同前)
役人らしくない一面も。
「役人出身なのに話は飛ぶし、“てにをは”の使い方も変で、否定なのか肯定なのかわからないときもある」(日本郵政関係者)
取締役の6年間で全国郵便局長会や、24万人の組合員を誇るJP労組との交渉窓口役を担ってきた。
「鈴木氏はトップ人事にも介入するのです。日本郵政グループ経営陣についても“神輿は軽い方がいい”と周囲に漏らしています。特にこの1年、自身への批判は絶対許さないという感じになっています」(同前)
長門正貢社長の後任昇格説もあった鈴木氏。今回の暴言は驕りからくる舌禍か、計算ずくのパフォーマンスか。いずれにしろ致命傷になりかねない。
(森岡 英樹/週刊文春 2019年10月17日号)