台風15号で多くの住宅が被害を受けた千葉県館山市内で、熊本市で工務店「昭和工房」を経営する永田和久さん(40)が、瓦職人らとともに壊れた屋根へのブルーシート張りに奮闘している。この3連休も、台風19号で吹き飛ばされた屋根のブルーシートを張り直して回った。「(2016年4月の)熊本地震では全国から応援をもらった。少しでも恩返ししたい」。今後も瓦職人らとともにボランティアで支援を続けるつもりだ。
台風15号が通過してから1カ月たった9日。永田さんは2人の瓦職人とともに、約9割の家屋が被災した館山市布良(めら)地区にある沼野弘子さん(83)方で、屋根のブルーシートを張り替えていた。
沼野さんの自宅は8年前に亡くなった夫繁さんと約20年間暮らした木造2階建て住宅だ。漁協の組合長だった繁さんは「2階の窓から富士山が正面に見えて、港の船も確認できる」と気に入っていた。
だが、台風が暮らしを一変させた。台風15号が県内を通過した9月9日未明、ごう音とともに2階の屋根が飛ばされ、1階の部屋で寝ていた沼野さんのもとにも雨水が吹き込み、家中が水浸しになった。市の調査で「全壊」と認定された。
永田さんらの支援を受けた沼野さんは「屋根だけでも修理に数百万円かかる。いずれ解体するしかないが、ブルーシートを張ってもらわないことには今夜寝ることもできない。本当に助かった。ありがたい」と感謝した。
永田さんらは今月6日、作業道具を積んだワゴン車で熊本を出発し、片道14時間かけて県内に到着した。8日に千葉市に1泊し、9日に被害の大きかった市原市や南房総市を見て回り、館山市にやってきた。
この3連休も館山にとどまり、台風19号で新たに屋根が壊れた住宅や、屋根に張ったブルーシートが飛ばされてしまった家のブルーシートを張って回った。
熊本地震で多くの住宅の修繕に当たった永田さんは、館山市内の被災地を目にし、「熊本地震でも多くの民家が被災したが、これほど密度が濃く軒並み被害には遭ってはいなかった」と驚いた様子で話した。いったん熊本に戻るため、14日に館山を後にした永田さんは「瓦職人ら6~7人を呼び寄せてまた千葉に入るつもりだ。復興に少しでも貢献したい」と話している。【中島章隆】