高齢者にまたがる職員、虐待と認定 宮崎市が施設を処分

宮崎市の有料老人ホーム「フェニックスフォレスト」で7月、高齢の女性入所者が施設の20代男性職員に虐待行為を受けたとされる問題で、市は30日、職員による虐待行為を認定し、施設に対し改善指導の行政処分を行った。
職員は7月24日付で懲戒解雇になっている。
市によると、元職員は7月8日午後7時ごろ、施設内で80代後半の女性入所者を車いすから降ろして床に横たわらせてまたがり、「今のこの状態をつくったのはあなただよ」「あなたが危ないことをしたからこうしたんだよ」などと言い、身体的及び心理的虐待をした。ほかにも10人以上の入所者に対し不適切な言動があったという。
市の聞き取りに対し、元職員は「車いすから立ち上がる行為を注意したが従ってもらえずイライラして行為に及んだ」「申し訳ない」という趣旨の話をしたという。
女性は3日後の11日に死亡しているが、医師の診断などから虐待行為との因果関係はないと結論づけた。
元職員は5~7月の平均で月13、14回の夜勤業務に従事していたが、「勤務時間と虐待は関係ない」と話したという。(伊藤秀樹)