河川の氾濫が相次いだ福島県では、浸水で浄水施設が使えなくなり、広域的な断水が被災者の暮らしに追い打ちをかけている。いわき市では平浄水場が運転を停止し、市や自衛隊の給水に長い列ができている。
市内では、夏井川の堤防が4カ所で決壊するなど5本の河川が氾濫し、広域が浸水。16日午前10時現在で3割弱の約4万戸が断水している。他の浄水場の給水範囲を広げ、断水箇所は減っているが、平浄水場の復旧見通しは立っていない。
16日午後、1人1回20リットルの給水を受けるため、市立四倉小学校を訪れた看護師の女性(54)は「トイレを自然と我慢してしまう。衛生的にも健康にも良くないのでは」とこぼした。
入浴は、車で30分ほどかけて無料開放の温泉浴場に行ったり、通水する友人の家のお風呂を借りたりしている。勤務先の病院もタンクの水が底をつき、自衛隊の給水でしのいでいるという。
製造業の男性(56)は会社が断水し、工場設備の冷却ができず操業停止状態に。現在は事務処理の仕事に当たっており、「早く水が出るようになってほしい」と望んだ。