ノーベル化学賞の吉野さんが自民党本部で講演 電池開発は「産学連携のモデル」

ノーベル化学賞受賞が決まった旭化成の吉野彰名誉フェロー(71)は18日、東京都千代田区の自民党本部などで講演した。白川英樹・筑波大名誉教授(2000年ノーベル化学賞受賞)によって開発された電気を通すプラスチック「ポリアセチレン」を使ってリチウムイオン電池を開発した経緯に触れ、「おこがましいかもしれないが産学連携の一つのモデル例だ」と語った。
自民党議員や文部科学省幹部ら約70人が聴講した。吉野さんは、受賞対象となったリチウムイオン電池の開発を「白川先生から私がバトンタッチされた。アカデミアの世界から提案された材料をどんな製品に応用するかは、まさに産業界の仕事だ」と表現した。
リチウムイオン電池はノートパソコンやスマートフォンに使用され、1990年代後半の「IT革命」につながった。現在は、普及が今後本格化する電気自動車への搭載や、太陽光発電などで作った再生可能エネルギーを電力として貯蔵する用途も期待されている。
今後について吉野さんは「IT革命は第3次産業革命と言われているが、これからはリチウムイオン電池がAIや(あらゆる物がインターネットにつながる)IoTと融合した第4次産業革命が起きる。私はこれをET(エネルギーと環境技術)革命と名付けた。日本として先陣を切ってやっていきたい」と話した。
吉野さんは講演後、自民党議員や文部科学省幹部らと意見を交わした。この日は経済産業省と公明党本部でも講演した。【信田真由美】