広島県福山市出身のミステリー作家・島田荘司さんが選ぶ「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」(同市など実行委主催)の第12回受賞作に、福島県川俣町の会社員、森谷祐二さん(35)の作品「約束の小説」が選ばれた。18日に市内であった記者会見で森谷さんは「これからも賞の名に恥じぬ作品を書きたい」と意欲を見せた。来年3月に原書房(東京都)から出版される予定。
同賞はミステリーによる文化振興を目的に毎年実施。今回は全国から86作品の応募があり、出版関係者らの選考を経て島田さんが受賞作を決めた。
中学時代から小説を書くのが趣味だった森谷さんは、2011年の東日本大震災をきっかけに「生きているうちに何かを世に残したい」と、執筆活動を本格化させた。約7年間で10作ほどを書いて各種の文学賞に投稿してきたが、受賞は今回が初めてとなった。
受賞作は、旧家の相続問題に巻き込まれた医師の青年が、呼び出された洋館で連続殺人事件に遭遇する――というストーリー。島田さんは「『またか』と思わせる外観だが、中心部には見たことのないものがある」と評価。森谷さんは「昔ながらの本格ミステリーが好きな人にはなじみやすい作品」と話していた。【李英浩】