九州北部の記録的大雨で大規模な冠水被害が起きた佐賀県内では31日、4市町で災害ボランティアの受け付けが始まった。晴れ間も見える中、県内外から午前11時半現在で600人以上が集まり、鉄工所から流出した油の除去や片付けなどの作業に取りかかった。
同県
大町町
( おおまちちょう ) の受付場所となった町総合福祉保健センターには31日朝、多くの希望者が集まったため、午前9時半の予定時刻を45分前倒しして受け付けを開始した。希望者らは油専用の吸着マットや洗浄剤の使い方について説明を受けた後、持参した長靴や清掃用のタオルなどを手に、屋内清掃や、家財道具の運び出しなどに向かった。
同町に住む県立武雄高校3年の女子生徒(18)は友人と参加。「自分が住んでいる町が被災するなんて思ってもみなかった。早く復興できるように片付けを手伝いたい」と語った。隣接する同県白石町の会社員の女性(52)は「報道で町の様子を見てびっくりした。油の掃除は大変そうだけど、少しでも力になりたい」と話した。
28日の大雨で住宅1階が床上約60センチまで浸水したという大町町
福母
( ふくも ) の住宅には、ボランティア約10人が到着。水を含んだ畳や本棚などを数人で担ぎ上げ、次々に屋外へ運び出した。住人の女性は「一人では片付けられなかった。本当にありがたい」と感謝していた。
県内外からボランティアを受け入れている佐賀県武雄市も午前9時の受け付け開始を30分前倒しした。横浜市から来た会社員男性(38)は、東日本大震災の被災地などでもボランティア経験があり、「同じ日本人として、放っておけない気持ちになって来ました」と意気込んだ。
4市町の受け付け人数の内訳は、大町町約110人、武雄市約350人、多久市140人、小城市25人(午前11時半現在)。