「助けられる人がやらないと」千曲川決壊の長野市でボランティア汗流す

千曲川の堤防が決壊し、約5100戸が浸水被害を受けた長野市。19日午前、心配された雨はなく、市内外から駆けつけた大勢の災害ボランティアが汗を流した。
「今はとにかく人手が必要。助けられる人がやらないと」。家屋の1階が水没した同市穂保の柴田次雄さん(80)宅で、たまった泥などをかき出す作業をしていた同市の会社員、石川元さん(25)が言った。石川さんは昨年7月の西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市などでボランティア活動に携わった。
柴田さん宅は妻(77)と長男(51)の3人暮らし。18日にようやく玄関前に膝の高さまで堆積(たいせき)した泥をかき出す作業が終わった。19日から1階部分を片付け、石川さんらボランティア18人が泥水を吸って重くなった畳や布団、冷蔵庫などの家電、散乱した小物をかごに入れて運び出した。
約3時間かけてほぼ全ての家財を出し終えると、敷地内には当初の浸水位と同じ高さ約2メートルのごみが積み上がった。「西日本豪雨の時もそうだったが、これから泥水が臭くなる。片付けるのは1週間がギリギリのタイミングだけど、長丁場になるだろう」。石川さんはそう語り、黙々と作業を続けた。
柴田さん宅で活動していた保谷一貴さん(19)は長野高専4年生。福井県出身で、千曲川の決壊地点から西約4キロにある学生寮に住んでいる。「普段から地域の住民にお世話になっているので、恩返しができれば」とボランティアに参加した。「泥の量は終わりが見えないし、家の中もひどい状況だった」と話し、被害のすさまじさに驚いていた。
午後2時前には雨が降り始め、ボランティアセンターは撤退を指示した。柴田さんは「こんなにありがたいことはない。雨は仕方がないけど、ボランティアの方々には頭が上がりません」と感謝しきりだった。【島袋太輔】