車椅子を使う障害者らの利用を想定したエレベーター付き貸し切りバスを佐賀県鹿島市のバス会社「祐徳自動車」が導入し、車両展示やエレベーター乗降体験などのイベントを17日に佐賀営業所(佐賀市)で開いた。貸し切りバスとしての導入は西日本初で全国でも3例目。階段を使うことなく乗降でき、同社は2020年の東京五輪・パラリンピックの観戦用などの運用も見据える。【山口響】
導入したバスは三菱ふそう製1台。車椅子を載せた場合は35人乗りで、トランクスペースに幅80センチ、長さ130センチ、積載量230キロのエレベーターが備え付けられている。車椅子1台と介助者1人が乗り込める広さで、約60秒で客席に移動できる。リフト付きバスに比べ、乗降場所を選ばない▽雨風や人の目を気にしなくてよい――といった利点がある。
稼働時も音や振動はほとんど感じられず、同社によると、体験乗車した車椅子使用者からも「安心して乗ることができた」と好評だった。バスの走行中は、専用のシートベルトや車椅子固定装置で安全も確保。車内には車椅子が最大で5台載せられる。
以前から車椅子ごと乗れるバスの導入を求める声が寄せられており、三菱ふそうから昨年4月、「試作品を作ったので見てほしい」と声を掛けられたのが導入のきっかけ。従来は車椅子の利用者は介助者らに担いでもらって乗車し、車椅子は折りたたんで車内に載せていた。導入されたバスでは車椅子のまま乗り降りできる。
国交省観光振興事業費補助金を受け、バスの改修費約1200万円の半額を国が負担する。今後、要望があれば全国規模で運用するという。
来年の東京五輪では、既に旅行会社に観戦用などに貸し出すことも決まっているといい、祐徳自動車の松尾文俊常務(60)は「障害者や高齢者、体の不自由な方の多くに知ってもらい、利用してほしい。運用の様子を見ながら、今後台数を増やすことも考える」と意欲を示した。