記録的な大雨をもたらした台風19号は、強風や高潮などによる潮位も各地で観測記録を更新した。専門家は「最接近の時間がずれていれば、東京湾で深刻な高潮被害が出ていてもおかしくなかった」と指摘する。
19号は7~10日にかけて中心気圧が915ヘクトパスカルと猛烈な強さを維持し、上陸直前まで「非常に強い」勢力を保った。気象庁によると10~13日に14地点で最大瞬間風速が観測史上1位を更新し、東京都江戸川区では12日午後9時過ぎに43・8メートルを観測した。また、横浜市中区では同午後8時半ごろに43・8メートル▽東京都千代田区で午後9時過ぎに41・5メートル――を観測した。
強い台風の場合は高波や、気圧低下と強風による高潮被害が懸念される。気象庁によると、上陸と満潮を迎える時間が近接していた静岡県などで過去の最高潮位を更新。御前崎(静岡県)は満潮が12日午後4時56分で、上陸直前の同午後5時4分に最高潮位182センチを観測した。
一方、東京湾は最接近の時間帯が干潮に重なり、大きな高潮被害を免れた。森信人・京都大防災研究所教授(沿岸災害学)によると、最接近した12日午後9時ごろの潮位は台風の影響がなかった場合と比べると160センチほど上昇していた。「満潮であれば、過去最高潮位(203センチ)を大きく超えていただろう。干潮に重なったことが幸いしたとしか言いようがない」と指摘する。【大場あい】