22日にかけて激しい雨に警戒 台風20号の温帯低気圧が前線を伴って北上

台風20号は21日、温帯低気圧に変わった。その後も前線を伴って北上する見込みで、近畿地方から東日本の太平洋側を中心に大気の状態が不安定となり、22日にかけて非常に激しい雨が予想される。気象庁は、記録的な大雨をもたらした台風19号の被災地では少ない雨量でも洪水の危険が高まるとして、土砂災害や河川の増水に警戒するよう呼び掛けている。
温帯低気圧は21日午後6時現在で四国沖にあり、時速30キロで北北東へ進んでいる。22日午後6時までの24時間に予想される雨量は多い所で、東海300ミリ▽近畿200ミリ▽関東甲信150ミリ▽東北、北陸80ミリ。最大風速は四国、近畿、東海で20メートルと予想されている。
また、マリアナ諸島付近にある台風21号は21日、非常に強い勢力に変わった。23~24日にかけて小笠原諸島近海に接近し、日本の東の海上を進む見通しだ。
台風19号による新たな死者も出た。宮城県警によると、同県丸森町中島で20日夕、成人女性の遺体が見つかった。行方不明になっている女性(54)とみられる。19日午後には同町坂下の土砂崩れ現場で、女性の遺体が見つかった。神戸市も21日、強風で頭を打って入院していた80代女性が急性硬膜下血腫で死亡したと発表した。女性は12日午前、同市兵庫区の路上で転倒。後頭部を打って当初は軽傷とされたが、容体が悪化したという。西日本で死者が出るのは初めて。毎日新聞の集計で死者は83人、行方不明者は9人となった。【巽賢司、滝沢一誠、反橋希美】