台風19号の影響で一部断水が続く福島県相馬市の住民を支援しようと、相馬港に停泊している海上自衛隊の掃海母艦「うらが」が浴室を被災者に無料開放している。自宅の風呂に入れない被災者らが利用。21日も家族らが訪れ、心身の疲れを癒やした。
開放しているのは、普段は隊員が使用している浴場。六つの浴室があり、男女合わせて36人が一度に利用できる。19日から停泊し、これまで650人以上が利用した。時間は午前9時~午後8時。
祖父とともに訪れた相馬市の小学4年桑名駿君(10)は「2日ぶりのお風呂で、すごく気持ちよかった」と話す。自宅の水道は復旧したものの、水は濁っている状態。「自衛隊の船にも乗れて、いい思い出になった」と笑顔を見せた。
入浴支援に当たるのは、宮城県名取市出身の庄子優作海士長(21)。東日本大震災で被災した際、自衛隊の活動を間近で見たことが、海自を志すきっかけになった。「自分も人を支えられるようになりたいと思った」と振り返る。「被災者の気持ちはよく分かる。寄り添いながら活動していきたい」と語った。