昨年の西日本豪雨で培ったノウハウを生かすため、愛媛県や県内の自治体から台風被災地への職員派遣が本格化している。愛媛県は21日、台風15号で被災した千葉県に建築職の職員2人を派遣。「応急修理」による住居支援制度の運用支援に11月5日まで当たる。同県宇和島市と市社会福祉協議会は21日から28日まで、台風19号被災地の姉妹都市・長野県千曲市と宮城県大崎市に職員2人ずつを送り、被害認定調査やボランティア受け入れ業務などで恩返しする。
建築職の愛媛県職員派遣は、多くの住宅被害があった千葉県の要請で行う。応急修理は災害で住宅が半壊するなどの被害を受け、そのままでは住み続けられない場合の修理を支援する災害救助法上の制度。千葉県内の市町村は29日にも受け付け窓口を開く予定で、愛媛県職員は昨年の事例や留意点を基に千葉県、県内市町村の受け付け態勢づくりをバックアップする。
愛媛県はさらに22日から職員10人を福島県本宮市に送って避難所運営や罹災(りさい)証明書発行などを支援する。同市では阿武隈川支流の堤防決壊で1000棟以上が浸水する被害が出ている。支援は被災自治体と都道府県などがペアになる総務省のシステムを活用。香川、高知県とともに、今回の第1陣に続き、11月末まで順次派遣する予定。【中川祐一】