熊本県の阿蘇山は、21日午後12時50分、中岳第一火口で噴火が発生し、現在も白っぽい噴煙が上昇中だ。
阿蘇山では今月7日以降、噴火が続いており、17日夜には中岳第一火口内で噴石が一時的に噴出するようすも確認されているうえ、火口内の溶岩の色が上空の噴煙に映えて赤く輝いて見える火映現象も目撃されている。
きょう午後12時50分に発生した噴火では、噴煙の高さが上空1200メートルまで上昇するのが確認されている。火口から西方向に流された火山灰は、阿蘇市や大津町、菊陽町、高森町、西原村、南阿蘇村、御船庁、益城町に降ると予想されている。
気象庁によると、地下のマグマや水蒸気の動きを示す火山性微動は、変動を繰り返しながら振幅の大きな状態が続いており、二酸化硫黄を含む火山ガスの1日の放出量は、今月半ばの時点で4200~4500トンと非常に多い状態だという。
GPSを使った地殻変動の観測では、地下深くにマグマだまりがあると考えられている草千里周辺で、先月上旬から山体が縮む傾向が続いており、火山活動が高まっているという。
気象庁は引き続き、噴火警戒レベル2を維持して、中岳第一火口から約1キロ範囲への立ち入りを禁止するとともに、噴石の飛散や火砕流に警戒するよう呼びかけている。