台風19号による河川の氾濫などで甚大な被害が出た宮城県丸森町では20日、同町災害ボランティアセンターが差配し、約500人のボランティアがチームに分かれ、被災した家屋の清掃などを始めた。【平家勇大】
「何かできないかなあ」。19日夜、台風19号の被害状況を伝えるテレビを見ていた仙台市若林区の高校1年、渡部朝陽さん(15)はつぶやいた。それを聞いた父の修さん(43)に「じゃあ行ってみるか」と背中を押され、20日に初めて災害ボランティアに親子で参加した。
自分から積極的に動く性格ではなく、高校では部活動にも入っていない。それでも台風19号の水害で亡くなった被害者についての報道を見聞きし「力はないけど、自分にできることを頑張りたい」と感じた。
20日は、18人のボランティアと一緒に丸森町五福谷の佐藤仁さん(63)宅の清掃に汗を流した。12日深夜に近くを流れる川が氾濫し、家の1階や物置小屋に泥水などが流れ込んだ。佐藤さん一家は今も、隣接する同県角田市の親類宅に身を寄せる。
約5時間にわたって泥や壊れた家財道具などを運び出し、屋内はおおむね片付いた。「大勢の人に手伝ってもらってありがたい」と感謝する佐藤さんの姿に、渡部さんは「被災された方の笑顔が見られたのが一番うれしい」と充実した表情を浮かべた。
丸森町の台風被害の全容は把握できておらず、佐藤さん宅前にある排水路も約2メートルの土砂に埋まったままだ。佐藤さんは自宅が片付いたことに喜びながらも「いつ町に戻れるのか」と不安も口にする。
丸森町社会福祉協議会の谷津俊幸事務局長は「ボランティアの支援がないと復旧の一歩が踏み出せない」と強調。「なるべく早い時期に、多くの人に協力してほしい」と訴えた。