日韓“オトモダチ”会談 安倍首相と李洛淵氏それぞれの思惑

22日の「即位の礼」を前に、参列する各国要人と安倍首相との会談が始まった。儀式当日を除く4日間で50カ国とのマラソン会談を“見せ場”にすべく意気込む安倍首相だが、注目は戦後最悪の状況にある韓国の李洛淵首相との24日予定の会談だ。米国もイラ立ちを強めるGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の失効期限が1カ月後に迫る中、関係改善の糸口を見いだせるのか。

「総理は生理的に文在寅大統領を毛嫌いしているようなのですが、日本語を操る知日派で面識のある李洛淵首相であれば気安い。日韓議連幹事長の河村建夫元官房長官らの後押しもあり、会談に応じる運びになった」(官邸事情通)

李は韓国主要紙「東亜日報」の記者時代に東京特派員を経験。安倍首相は官房長官就任前の2005年ごろにソウルを非公式訪問した折に、李を含む韓国政治家らと会合を持っている。

在韓ジャーナリストの朴承珉氏はこう言う。

「李洛淵首相と安倍首相は、かつては政治家しか足を踏み入れられなかった青瓦台の裏手に位置する高級料亭の三清閣で会食し、韓国焼酎を酌み交わしながら話し込んだといいます。その際、在日韓国人のハンセン病患者から待遇改善の陳情を受けていた李氏が安倍氏に是正を求めると、安倍氏はそれに応じた。そうした経緯もあり、文在寅大統領は李氏と安倍氏の信頼関係に期待し、親書を託して現状打開を呼び掛けるようです」

■米イラ立つGSOMIA失効まで1カ月

安倍政権は韓国の元徴用工訴訟をきっかけに態度を硬化し、対韓輸出規制を発動。その報復として文在寅政権はGSOMIA破棄を決定したが、李氏は「対韓輸出規制を撤回すれば、GSOMIA維持を再検討できる」と主張している。

「11月22日に有効期限を迎えるGSOMIAの破棄は日米韓のいずれも望んでいない。しかし、関係改善の兆しがなければ文大統領も動くに動けません。来月開催されるASEAN関連首脳会議(タイ)やAPEC首脳会議(チリ)に合わせて日韓首脳会談を実施し、何らかの進展を図ろうと必死に働きかけています」(日韓外交事情通)

韓国叩きを政権浮揚に利用する安倍首相も、オトモダチを前についに振り上げた拳を下ろすのか。