「日本は自由を手放しかけている」北海道警ヤジ排除問題でシンポ

7月の参院選で安倍晋三首相が札幌市で街頭演説した際、ヤジを飛ばした市民らを北海道警の警察官が排除した問題を考えるシンポジウムが22日、札幌市中央区で開かれた。ヤジを飛ばして排除された大杉雅栄さん(31)は「排除は全国で行われている。日本社会は自由を手放しかけている」と危機感を訴えた。排除から3カ月が経過した現在も、道警は「事実を確認中で、捜査にも支障がある」などとしており、参加者らは説明を求めるなどの集会決議を採択した。
集会で、排除・妨害行為を受けた当事者5人が証言。60代の女性は「年金100年安心プランはどうなった?」と書かれたプラカードを掲げようとした際、警察官とみられる複数の人に取り囲まれ、付きまとわれたと語った。弁護士や識者で作る実行委によると、少なくとも9人に対する排除・妨害行為が確認されたという。
パネルディスカッションでは、弁護士の神保大地氏が排除行為は警察官職務執行法を逸脱した違法行為の可能性があると解説。道警組織に詳しい元釧路方面本部長の原田宏二さん(81)は「速やかな身体拘束は現場の判断ではできない。あらかじめヤジ排除の警備方針があったはずだ」とし、道警や警察庁の組織的な判断である可能性を強調した。
パネリストからは、権限をチェックすべき道公安委員会や道議会の対処が不十分であることや、その場にいたマスコミの報道が遅れたことに触れ、権力の監視機能の低下ではとの指摘もあった。
最後に、参加者らは「言論や表現の多様性を前提とする民主主義が破壊されるのを目前にした」と道警の行為を非難し、速やかな事実関係の説明や、違法行為と認め市民に謝罪することを求めた。【山下智恵】