台風19号により被害を受けた宮城、福島、岩手、栃木各県で23日、休校していた小中高校が授業を再開した。毎日新聞のまとめでは、23日に宮城県で全ての小中高校が再開し、24日に福島県と岩手県、25日に茨城県で全ての公立学校が再開する予定だ。一方、4校が休校したままの長野市の小中学校では、自衛隊員や教職員らが校内の清掃や片付けに追われている。
「雑巾がけ、こんなに大変だったっけ」
20日午後、長野市立豊野中学校の片付けを手伝っていた保護者らが手を止めることなく、校舎1階の廊下や教室の床を拭き、泥水を掃き出した。同校は1階が高さ約1・5メートルまで浸水した。机はひっくり返り、廊下や教室は泥をかぶった。林理恵校長は「壊滅的だった」と振り返る。
清掃作業は急ピッチで進められているが、水没したり、壊れたりした備品は使えない。林校長は「一人一人の力がありがたい。消毒も必要で、通学路(の安全)や校内の衛生面を確保しないと授業は再開できない」と話す。課題はまだ山積している。長女が通学する40代女性は「こんなことになるとは思わなかった。一日も早く学校が使えるようになってほしい」と、懸命に階段の隙間(すきま)に入り込んでいた泥を取り除いていた。
同市立長沼小学校でも20日、陸上自衛隊と地域のスポーツクラブの関係者が校庭や体育館の清掃にあたった。自衛隊は大量の泥をショベルカーでかき集めた。隊員の一人が「東日本大震災の被災地を思い出す」と言うほど悲惨な状況。プールは泥水で満杯になっていた。
同小体育館を平日、小学生のバスケットボールクラブが利用しているという「長野スポーツコミュニティクラブ東北」の保護者らも作業に取り組んだ。コーチの長峰功さん(63)によると、体育館周辺では泥が約10センチ積もっていた。ボランティアの業者に除去してもらい、中に入れるようになった。長峰さんは「子どもたちを集めてイベントを開催したい」と夢見ている。
同小5年の吉村音旺(ねお)さん(10)は「早く体育がやりたい。みんなでバスケをしたい」と話す。児童の多くは日中、避難所となっている長野市内の屋内運動場にNPO法人が開設した遊び場でボランティアらと過ごしている。音旺さんの母親は「勉強も遊びも、いつも通りの日常生活を取り戻してあげたい」と話す。
長野市教委によると、休校中の小学校2校と中学校2校は、来週中には授業を再開できる見通しだ。【ガン・クリスティーナ、島袋太輔、川上珠実】