なるほドリ 札幌市でビジネスイベント「NoMaps(ノーマップス)」が開催されたね。2017年から札幌で始まり、今年で3回目だけど、なぜ札幌で開かれているの?
記者 NoMapsは主にITを駆使した新たなビジネスの創出を目的にした交流イベントです。今年は16日から20日まで開かれ、ビジネスカンファレンスや展示などが行われました。歌声合成ソフト「初音ミク」を開発した「クリプトン・フューチャー・メディア」を筆頭に、札幌にはIT企業が多いことが開催されている一因です。
Q なぜ札幌にIT企業が多いの?
A 札幌は1980年代、「サッポロバレー」と呼ばれ、北海道大学に近いJR札幌駅北口付近を中心にITベンチャー企業が集結しました。札幌発のIT企業がいくつも誕生し、行政が積極的に誘致したこともあり、道外の関連企業が移ってきました。
Q どんなベンチャー企業が生まれたの?
A サッポロバレーの先駆けとなった「ビー・ユー・ジー」「デービーソフト」「ハドソン」などです。いずれもソフトウエア開発会社で、北大OBなどで立ち上げられた先進的なIT企業といえます。
Q その後はどうなったのかな?
A サッポロバレーで生まれた企業は買収されたり、現在では存在していなかったりする企業も多いですが、そういった看板企業があったからこそ、エンジニア派遣会社やコールセンターなど数多くの下請け企業が、この約40年間で札幌に集まりました。
Q 他の地方都市と比べるとどうなの?
A 総務省の2016年度調査によると、東京を除くと札幌市のIT関連事業所数は全国で5位、従業員数は6位。ただ、市内にある数多くの企業が下請けのため、従業員1人あたりの平均売上高は14位と低いのが課題です。
Q 先進的なIT企業は札幌からなくなったの?
A いいえ、サッポロバレーを源流としたIT産業の基盤は現在につながっています。市内には、仮想通貨(暗号資産)で料金を支払う電気自動車タクシーの運用実験を8月に厚沢部町で行ったシステム開発企業「インディティール」、インターネットサーバー会社のさくらインターネットの子会社「ビットスター」などのベンチャー企業があり、いずれも経営者は30~40代の若手です。
Q 若い世代が活躍しているんだね。行政の取り組みはどうなの?
A 市はAIやビッグデータなどの先端技術を活用した新ビジネスの創出を推進しようと、16年8月に「札幌市IoTイノベーション推進コンソーシアム」を設立し、産学官が連携して取り組んでいます。札幌だけではなく、北海道はITの導入が進む農業・漁業などの1次産業や観光業が盛んであるため、これからの技術の進歩に期待ですね。
(回答・土谷純一)
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