五輪マラソン札幌開催めぐり「小池都知事vs森会長」10.30直接対決の行方

東京五輪「マラソン・競歩」の札幌開催が国際オリンピック委員会(IOC)の“鶴の一声”で決まり、準備してきた選手や関係者は大混乱だ。今月30日から開催されるIOCと大会組織委員会、都の3者による調整委員会で札幌開催は正式に決定する見通しだが、スンナリ終わるとは思えない。小池都知事と森組織委会長の直接対決で、協議は紛糾必至だ。

「IOCでは、マラソン会場での打ち水や、ボート・カヌー会場の『海の森水上競技場』で降らせた人工雪などの暑さ対策の実効性を不安視したとされる。実効性が乏しい対策を打ち出してきた小池知事に批判が集中しているが、対策の検討には組織委も関わっている。森会長以下、組織委にも責任があるのは当然だ」(都政関係者)

これまで二人三脚で暑さ対策に取り組んできた都と組織委。

21日も、IOCと組織委、都の非公式会議が行われ、あらためて都はマラソンのスタート時間を前倒しし、未明開催の案を提示。しかし、IOCは「興味なし」とばかりに無反応だったという。

■責任の所在とカネの負担で怒声飛び交う?!

この未明開催案は森会長自身が描いていたものだ。2017年に出版された著書「遺書 東京五輪への覚悟」(幻冬舎)には、こんなくだりが出てくる。

〈二時間ほどのサマータイムを実施したらどうか〉〈そうすると、東京の夏の(早朝)五時はもう夜が明けて明るいし、まだそんなに暑くもない〉

何が何でも札幌開催を避けたい都が、森会長の案を出してきたのにはワケがある。IOCに札幌開催を丸のみさせられた上、橋本五輪相や一部の都議、北海道には伝えながら、小池知事には知らん顔を貫いた森会長に対して「アンタもこう言っていたよな」という痛烈な皮肉だ。

今後の焦点は、札幌開催で拡大必至の費用負担の問題だ。小池知事は18日の会見で「(費用は)国が持つと武藤敏郎組織委事務総長がおっしゃった」と話していたが、武藤事務総長は「『国に頼んでみましょうかね』と申し上げただけ」と否定。互いの発言が食い違っているのは、都と組織委ですでに費用負担の押し付け合いが始まっているという証左だ。

小池知事は「(札幌開催を)いつ、誰が、どのように検討してきたのか大変疑問」とカンカン。この調子だと、混乱を招いた「責任の所在」を徹底追及するつもりだろう。小池与党の「都民ファーストの会」の都議はこう言う。

「30日の調整会議では、小池知事と我々は、マラソンと競歩はあくまで東京で開催すべきと訴える方針だ。仮に札幌開催になったとしても、都が費用負担することのないよう動く。森会長も『IOCにも費用負担を求める』と発言しているから、小池知事が会議の席で森会長に直談判するだろう」

「なぜ知らせなかったのか」「カネはどうするのか?」――。調整会議で小池知事と森会長が互いに罵り合う姿が見られるかもしれない。