【新井浩文被告初公判詳報】(2)女性の手をつかむ被告 被害女性「やめてください。これ以上やるなら帰ります」

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《派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして、強制性交罪に問われた俳優の新井浩文=本名・朴慶培(パク・キョンベ)=被告(40)の初公判は、被害者である女性への検察側の証人尋問が続いている》
《女性は出廷せず、法廷と別室を映像や音声でつなぐビデオリンク方式が採用された。検察官がマッサージ店のホームページに掲載されている「注意事項」をモニターに示した。客は「性的サービスを要求しない」などの注意事項を理解した上で、署名することになっている》
検察官「マッサージ店のホームページには、風俗店にあるような顔の一部を隠す写真を載せていましたか」
女性「いいえ」
検察官「ホームページにはセラピストの実名を記載されていましたね?」
女性「はい」
検察官「実名の掲載はどういうことだと思いましたか」
女性「特にやましいことはないということだと思いました」
検察官「お店の客層はどんな人でしたか」
女性「とてもいいお客さんが多く、性的サービスを求める方はあまりいなかったです」
《右手にペンを持った新井被告は、女性と検察官のやりとりをじっと聞いている。女性によると、新井被告はマッサージ料金の領収証発行を要求したという》
検察官「証人(女性)は被告人から予約が入ったことを待機場所にいた同僚に話しましたか」
女性「はい」
検察官「(同僚は)どう言っていましたか」
女性「『(新井被告は)最初はおとなしかったけど、手首をつかまれたことがある。だから気をつけてね』と言われました」
《静まりかえる法廷。女性が犯行時の新井被告の様子を振り返りながら、ゆっくりと証言していく》
検察官「証人(女性)が被告人方に入った後、案内されたのはどんな部屋でしたか」
女性「寝室でした。ベッドはセミダブルくらいの大きさでした」
検察官「部屋の明かりはついていましたか」
女性「ベッドの明かりだけがついていて、薄暗かったです」
《新井被告が利用したマッサージの料金は1万8500円。内訳は90分のマッサージ1万4000円、交通費3000円、そして女性の指名料が1500円だった》
検察官「被告人が酒臭かったり、酔った様子はありましたか」
女性「分からなかったです」
検察官「被告人は何と言っていましたか」
女性「(新井被告は)『鼠蹊(そけい)部などを』と言っていました」
《鼠蹊部とは、太腿(ふともも)の付け根の部分のことだ。新井被告はマッサージを受けるため上半身裸になり、下半身はトランクスタイプの紙パンツだけ着用していた。女性は背中のマッサージから始めた。そこで新井被告からこんなことを言われたという》
検察官「被告人は何か言っていましたか」
女性「『電気を消していいか。結構暗くなるけど大丈夫?』と聞いてきました」
検察官「それで(証人は)何と言いましたか」
女性「『大丈夫ですよ』と言いました」
《ベッドの明かりを消すと、部屋は真っ暗な状態になったという》
検察官「真っ暗な状態でもマッサージはできるのですか」
女性「目が慣れれば体の輪郭(りんかく)が白っぽく見えるので大丈夫だと思いました」
《マッサージの後は、オイルを使ったマッサージに移る。女性は最初、新井被告の首をマッサージしようと思ったという》
検察官「そのとき、被告人は何と言いましたか」
女性「『首はいいから足をやって』と言いました。足首からひざにかけてマッサージしていきました」
《マッサージの部位はひざから太腿、太腿の付け根に移っていく。女性はあまり股間に近づけないように注意しつつマッサージしていたという》
検察官「被告人はどんな状態でしたか」
女性「少し興奮している様子でした。息づかいが荒くなっていました」
《女性が反対側の足の足首からマッサージしようとすると、新井被告は「足首はいいから太腿をやって」と要求。女性は新井被告を興奮させないように、マッサージを強くしたという》
検察官「被告人は何と言っていましたか」
女性「『もっと奥』と」
検察官「被告人に『もっと奥』と言われて、証人(女性)は何と言いましたか」
女性「『無理です』と聞こえるように言いました」
《犯行時の生々しい証言。新井被告は女性の手をつかむと、自分の股間に押しつけたという。新井被告との体格差もあり、女性は身動きができなかった》
検察官「証人は何と言ったのですか」
女性「『そういうことをするのであれば帰ります』と言いました」
検察官「さらに何か言いましたか」
女性「『やめてください。これ以上やるようであれば、帰ります』と聞こえるように言いました」
《女性が抵抗しても、新井被告は女性の腕を強く引っ張った。女性は前のめりになり、新井被告の上に倒れ込む形となったという。検察官が当時の様子を細かく確認していく》
検察官「その後、被告人はどうしてきましたか」
女性「あまり順番とか覚えていません」
《新井被告に黒色のズボンを脱がされそうになった女性は「脱がさないで!」と必死に抵抗。それでも新井被告は強くズボンを引っ張り、脱がされたという。さらに女性のTシャツを上にめくり上げ、ブラジャーを下げるなどしたという》
検察官「抵抗しましたか」
女性「はい」
検察官「どのように?」
女性「ひざを閉じたり、腕を押したりしました。『触らないで!』と言いました」
《女性ははっきりした口調で証言を続けている》
に続く