国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7000万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた、学校法人「森友学園」の前理事長・籠池泰典(本名・康博)被告(66)の2回目の被告人質問が2日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で始まった。
先月28日の1回目に続いて、検察側からの質問から始まった。
大阪府豊中市で新設を計画した小学校の建設費に関する補助金約5644万円を詐取したとされる罪に関し、6000万円と見積もられた補助金を満額受け取れるようにと、周囲が建設費を22億円に水増しした工事請負契約書に押印した経緯を聞かれた。「収入印紙は偽物だったのでは」と検察側に問われると、籠池被告は「カラーコピーだったのでは。本物ではなかったことは確かでしょう」と答えつつ、「22億円払うべきとは認識していなかった」とした。
教員や児童に絡んだ補助金など約1億2000万円を不正受給したことは、前回の被告人質問で一部を認めている。特別支援児童の補助金受給は保護者の同意が必要だが、同意を得ておらず、自治体から「気をつけるように」と注意されても改善しなかったことを検察官は指摘。その理由を問われると、ばつが悪かったのか籠池被告が「何回も同じことを言わせないでください」と語気を強める場面も。検察側は「何回聞いても(真意が)分からないから聞いている」と、あきれ返られた。
特別支援児童に対しては「園児の活動を制限する必要はありません」とする診断書の「ありません」の部分を改ざんした経緯を問われた。籠池被告は「前年までは要制限者。教育現場では活動の程度を変えるわけにはいかない」と事実を認めた。「だますつもりだった?」の問いかけには「そうではないですね」と答えた籠池被告だが「(自治体が)偽造に気付くべきだと?」と追及すると「見れば(偽造と)分かると思いますが…」と開き直る態度も見せていた。
この日は妻・諄子(本名・真美)被告(62)=詐欺罪などで起訴=の被告人質問も行われる。裁判所に入る前、報道陣に気持ちを聞かれた諄子被告は「楽しみです~」と努めて明るく振舞った。