川崎市は23日、台風19号で川崎市中原、高津両区を中心に発生した大規模浸水について、「増水した多摩川の水が排水管を通って逆流したのが原因」と発表した。川につながる排水管5カ所で逆流があり、計約92万平方メートルが浸水。道路上などに川の土砂が噴き上げていた。また、市の調査で浸水の深さが約2メートルに達したところがあったことも確認された。
市上下水道局によると、このうち中原区の上丸子山王町から下沼部にかけての地区では約45万平方メートルが浸水した。この地区は雨水を下水管に流す「合流式」で、一定以上の流量になると、下水管内の壁を越えて多摩川に流れ込む仕組みになっている。台風が接近した12日は午前11時半に多摩川の水位がこの壁の高さを越え、下水管への逆流が始まった。午後3時半過ぎにはマンホールから水が噴き出るのが確認されている。
その後も川は増水。下水処理場に水を送るポンプが水没しそうになったため、排水管の水門を閉めようとしたが、閉まるのに約12時間もかかったという。同局の担当者は「閉まらなかったことで被害が拡大したとは思っていないが、検証したい」と話した。このほかに逆流した4カ所は水門を開けたままだった。
建物被害は1407件
一方、市は同日、被害集中地区の建物被害調査の結果を発表した。中原、高津両区に多摩区も含め計2407件を調べたところ、1407件の被害を確認した。このうち、全壊は15件あった。現時点で、市内の浸水被害は計約1460件となった。床上、床下の別はまだまとまっていないが、福田紀彦市長は「数字を先行させず、支援を最優先にした結果」と説明した。【市村一夫】