大阪・泉南市し尿事業が赤字 2006年度から13年間の総額5000万円

大阪府泉南市のし尿くみ取り事業が2006年度から13年間にわたって赤字決算が続き、総額約5000万円に上ることが市への取材で判明した。事業を巡っては、元職員の男性がくみ取り券の売上金約40万円を着服したとして今年9月に懲戒免職処分になった。市は赤字との関連や事業全般の管理に問題がなかったか調査を進めている。
府によると、18年度末で下水道普及率は府全体の96・5%に対して泉南市は57・4%にとどまる。約3000世帯の利用者は地域の事務所や個人商店などでくみ取り券を購入し、券と引き換えに委託業者が作業にあたる。市はくみ取り券の売上金を回収し、業者には委託料を支払っている。
利用者が一度に数年分のくみ取り券を購入するなど集金の時期によって、単年度では歳入(売上金)と歳出(委託料)が一致しないが、数年単位ではおおむね収支が合うことになっている。しかし、1998~2005年度は収支がほぼ均衡したのに、06年度以降は赤字が続き、年平均約400万円に上り、急激に収支が悪化した。
今年4月の人事異動を機に、販売所から売上金を集めていた当時環境整備課の50代の男性職員の横領行為が判明。「昨年度、50万~100万円を着服した。生活費や医療費に使った」と説明したため、市は9月に懲戒免職処分としたうえで、府警泉南署に業務上横領の疑いで告訴した。元職員は少なくとも05年ごろから主に集金業務を担っており、市は以前にも同様の行為がなかったか調査を続けている。
関係者によると、09年ごろに市幹部が赤字決算が続く「し尿くみ取り事業」を疑問視していたが、解消されなかった。市は取材に、「当時の状況を知る職員が退職するなどし、どのように処理がなされていたか把握できていない」と説明している。