原発賠償金 東電から詐取容疑で9人逮捕 5年間で4億8000万円か 警視庁

東京電力福島第1原発事故の影響で飲食店の売り上げが減ったと偽り、東電から賠償金をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は25日、札幌市豊平区平岸二条1、無職、郡司明容疑者(50)ら男女9人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。同課は、被害は2012~17年の約5年間で約4億8000万円に上るとみて調べている。
逮捕容疑は13年1~7月、原発事故による風評被害で福島県いわき市小名浜の飲食店4店舗の売り上げが減ったとするうその請求書をそれぞれ東電に提出し、賠償金計約2650万円をだまし取ったとしている。同課によると、郡司容疑者は容疑を否認している。
同課によると、郡司容疑者は詐欺の統括役とみられ、震災前の売り上げを実際よりも水増しさせて申請。グループは勧誘役や偽造書類の作成役など役割を分担し、店に払われた賠償金のうち約8割を受け取っていたとみられる。虚偽申請には18店舗が関わり、すべて小名浜地区のスナックや居酒屋などの飲食店だった。同庁は、関与した店側の経営者らについても詐欺容疑で書類送検する方針。【佐久間一輝】