8月2日で就任から丸3年が経った小池百合子東京都知事(67)。次の都知事選挙まで1年を切ったタイミングで、自民党の二階俊博幹事長(80)とそろい踏みを披露し、注目を集めた。
「8月20日の小池氏を支援する政治団体・百乃会のセミナーに、二階氏が登場したんです。これは、小池氏自ら二階氏に声をかけて実現したもの。『小池都政は都民の信頼に値しない』と対立候補の選考を進める自民党東京都連や、小池嫌いで有名な菅義偉官房長官らの包囲網の中、二階氏は、『小池さん以外いない』と再選支持を公言していますから、幹事長の“お墨付き”を知らしめる狙いだったんでしょう」(自民党関係者)
小池氏は選挙応援に回ることなく、自らの足場固めに専念してきた。
「就任当初に重用した野田数(かずさ)特別秘書や上山信一都特別顧問を切り離し、議会対策に佐藤章知事補佐担当部長、特別秘書に村山寛司元副知事という自民党議員と近い人材を配置しました」(都庁担当記者)
こうした動きはすべて、来夏の都知事選での「再選」を見据えたものだ。
7月19日には「重点政策方針2019」として「7つのC」を発表。Change、Challengeなど横文字が並ぶが、7つ目は何とChoju(長寿)。自民党の川松真一朗都議が指摘する。
「当たり前のものが羅列されている上に、最後が長寿の『C』では無理やり感が強く、言葉遊びが過ぎます。ただ小池氏はアンテナの感度が高いので、本人発案とも思えない。職員が小池再選に向けて“忖度”して知事好みの企画をあげたのを、受け入れたのでしょう」
丸川珠代は「小池さんはもうコリゴリ」
一方の自民党都連では、
「本命視されているのは丸川珠代参院議員(48)。安倍首相の覚えもめでたく、万が一負けても、これを機に衆院に鞍替えという保険もある。ただ、本人がどうも乗り気じゃない。五輪担当相時代、小池氏と散々バトルして疲れ果て、『小池さんはもうコリゴリ』と漏らしていた」(都連所属議員)
まだ構図は見通せないが、流石の位置取りを見せているのが二階氏だ。都政を取材するジャーナリストの話。
「セミナーは5時半開始の予定でしたが、道が混んでいたとかで二階氏は20分ほど遅刻。しかも小池氏を『同志』とは呼ぶものの、最初に自分の話を終えると、小池氏が、『阪神・淡路大震災では二階先生と一緒に長靴で……』と講演するのも聞かずさっさと退席。一方で二階氏は都連の知事選候補者選考委員会にも『まだ間に合うからしっかりやっていただきたい。私は頑なな考えではない』と微妙にエールを送っています」
小池流の策略も、老獪幹事長相手では不発だった。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年9月5日号)